ハーチが掲げる「サステナビリティ」スタッフは実際にどう思っている?【ハーチ座談会VOL.2】
- On 2020年12月17日
- サステナビリティ
こんにちは!ハーチの宮木です。先月はESG(環境・社会・ガバナンス)の持続可能性に力を入れるハーチについて、代表・加藤に「そのモチベーションの源泉に何があるのか?」「そうは言っても売上の成長を第一にしていないか?」と率直な疑問を投げかけるインタビューを掲載しました。
今回は、このインタビューをもとに、実際働いていてハーチのサステナビリティについてどう思っているのか、社内のスタッフに聞いてみました。ぜひご覧ください。
メンバー
- Rina:横浜のサーキュラーエコノミーを加速させる「Circular Yokohama」ライティング・編集・事業開発担当
- 和田みどり:英語学習メディア「English Hub」ライティング・編集担当
- 佐渡昌敬:当社が運営するメディア全般のエンジニア担当
- ロジャー:日本のソーシャルグッドを世界に発信するメディア「Zenbird」編集長
※本ブログの写真では、撮影時のみマスクを外しております。
「サステナビリティ」で家庭の方針が言語化された
宮木:まず、ハーチ入社前に環境に対して意識していたかどうかを教えてください。
Rina:母が環境や健康に対する意識が高かったこともあり、物心がついたときから食事や洗剤、生活用品に気を遣っている環境で育ちました。大学に入ってからサステナビリティやSDGsといった言葉に触れ、初めて自分がやってきたことがこのように定義されるものなのだと知り、枠にあてはめて考えられるようになりました。
和田:私の親も一緒です。ただ、オーガニックのシャンプーは髪の毛がギシギシになったり、瓶詰のマヨネーズは美味しくなかったりしたため、一時期すごく嫌だなと思っていたことがありました。でも留学を機に、比較的意識が高い人は物を選ぶときに環境に配慮したものを選んでいて、それがかっこいいという感覚が芽生えました。そこで「お母さんがやっていたことは逆に新しかった」ことに気づきました。今は子どもが二人いますが、できる限りオーガニック商品や食中心の生活をしています。
佐渡:僕は何も意識していませんでした。好きなものを食べて、飲んで。ただ、これはフードロスというべきではないかもしれませんが、小さいころから出されたものは残すなと教えられて育ちました
宮木:佐渡さんはスタッフみんなが食べきれないときの救世主ですからね(笑)
ロジャー:私はあまり意識はしていませんでした。シンガポールに30年いるうちに、教育の一環として3R(リデュース・リユース・リサイクル)は身についていました。ですがシンガポールも消費重視の社会なので、私も基本的に消費優先でした。その後、日本の「もったいない」という精神や自然・食べものを大事にする考え方を知って、ハーチに入ってからは環境優先で考えるようになりました。
サステナブルな生活実践は家族の価値観に折り合いをつけて
宮木:ハーチでは、オフィスや家でのゼロウェイストを呼びかけたり、会社全体でサステナビリティについて考えたりする機会がありますが、気持ちがついていかない部分はありませんか。
佐渡:そうですね。考え方は賛成する部分が多いですが、トレードオフな部分も大きいですね。自分ひとりであればサステナブルな考えに基づいて生きることもできますが、「家族」という観点だとそれぞれ考え方が違うので、それを強制するものでもないなと思うところもあって。結局、家族みんなの不都合が出ない範囲で検討するようにしています。
和田:すごく分かります。以前はオーガニックなシャンプーや洗剤にこだわりを持って買っていましたが、夫から「破産するぞ」と言われて。たしかに大きくなった子どもがいて、かなりの消費量がある中で高額な消費財ばかり買っていたら生活がサステナブルではなくなってしまいます。家族に配慮しながら、少しずつこだわりは減らしていますね。
Rina:昔は健康づくりや食事に関して家族と価値観が合わず、辛い時期もありました。最近、お互いが割り切ってそれぞれの考えを尊重するように向き合い始めたところです。
家庭内でゴミを減らす動きが見え始めた
宮木:ありがとうございます。家族内でのバランスが大事になってきますね。2020年5月ごろに実施した、ご家庭でのゴミを減らす「おうちでゼロウェイスト」をやってみてどうでしたか。
ロジャー:ゴミの量を計測していくなかで、割合が大きかったのは生ごみでした。量り売りの食材が買える場所があったらいいのですが、選択肢がなく、生ごみを減らすのは難しかったです。消費者の行動だけではなく、消費の選択肢や仕組みが整っていくこともも重要ではないかと思いました。
和田:家族で区から配られているゴミ分別ルールを再確認したら、今までゴミで捨てていたもののなかに、分別できるものが実は結構いっぱいあったことに気がつきました。その分別を徹底したら、燃えるゴミの量がすごく減りました。今でも几帳面な夫がこまめに分別していて、ゼロウェイストの意識はかなり浸透したと思います。
佐渡:ゴミをなるべく減らす・分別するというのは無意識に考えている気がします。もともと住んでいた自治体で指定業者に回収してもらうとお金がもらえるという仕組みがあって、分別は前からしていたのであまり抵抗はなかったです。
和田:ハーチにいると自分自身はサステナビリティへの意識が高まりますが、家族にはその熱量が伝わらない。でもおうちでゼロウェイストはどうしても家族を巻き込まないとできなくて、熱量的なものもシェアできたので家族の意識が変わったなと思います。今後ほかの企業でも社員の家族にゼロウェイストを促していくことで大きな変化が起きてくるのかなと思いました。
人に対してのあたたかさがハーチの根幹に。それがサステナビリティ
宮木:ハーチに入社して、サステナビリティに対してどのような捉え方をするようになりましたか。
和田:ハーチに入社してから、若い世代が中心となって、ここまで日本全体でサステナビリティを盛り上げようとしていることにあらためて気づかされました。自分の子どもはさらに若い世代なので、自分の子どもが社会に出るまでに今の現役の世代が意識を持って社会を変えようとしているところに希望を感じています。
代表の加藤さんのインタビューの記事を読んでからは、サステナビリティに人に対してのあたたかさが根幹にあることを感じています。環境だけではなく働き方、人間関係、日々の生活といった生き方そのものがサステナブルであることで、自分も幸せになりたいし、自分の周りの人にも幸せになってもらいたいという考え方ですよね。「サステナビリティ」はどうしても環境問題のこと、というイメージがありましたが、そうではないんだということをハーチに入ってあらためて認識しました。会社という公的な場所で「みんな幸せになってください」と堂々と言ってくれる存在はなかなかないと思います。
ロジャー:自分は自分のままでいいし、他の人の個性も尊重するというのが働きやすい理由なのかもしれませんね。
佐渡:ハーチはIDEAS FOR GOODのメディアがあることで、サステナビリティに関心が高い人が集まってきていますよね。社内の情報共有や雑談でも自然とそういった話題が多く、サステナビリティが数年前よりも格段に身近になったなと感じています。目が向く記事の方向性も変わってきました。
Rina:昔は、例えばヴィーガンという考え方があったときに、それは正しい、それ以外はダメというような捉え方をしてしまっていたのですが、ハーチに入ってさまざまな考え方を知りました。サステナビリティの先にウェルビーイングや幸せがあると思うと、少し遠くを見渡せるようになって、自分と相手が違う意見を持っていたとしても「幸せ」という観点でみたときにどのような受け取り方をすれば幸せになれるかで判断することがサステナビリティだと思えるようになりました。
和田:たしかにそうですね。ハーチに来て思ったのは、自分がここの会社にいることがすごく幸せで、この会社がサステナブルであってほしい、つまりずっと続いて欲しいということ。ただ、そのためにはみんなが生活するためのお給料も出さないといけないとなると、会社の利益もすごく大切だと一層思うようにもなりました。環境配慮への追求とビジネスでの利益は相反するのではないかと以前は思っていましたが、そこもハーチに入ってサステナビリティとビジネスに対しての捉え方が、自分のなかでクリアになったなと思っています。
佐渡:僕もハーチがいつまでも続いていけばいいなと思っています。もうハーチがなくなったら再就職できないかもしれない(笑)
和田:こういう感じでみんなが楽しく、好きなことをある程度追求しながら、社会や環境についても真摯に考えながら働いていても、利益も出るというビジネスモデルをもっと周知できるように、ハーチがずっと存続してくれたらいいなと、心の底から思うから、頑張ろうと思いますね。
広い視野を持ち心と体に充足感を得ながら生きたい
宮木:ハーチで働いたことで思う、これからの人生において大事にしたいことはありますか。
Rina:サステナビリティに関する記事にどっぷり浸かっていると、「みんながSDGsのゴールに向かって一致団結してる」と思い、うれしくなる反面、ふと顔をあげると実はそれほど社会は変わっていないのではと感じることもあります。自分がよいと思って行動している結果がよくない影響を及ぼしてしまうこともあるかもしれないので、広い視野を持つことが重要だと感じています。
ロジャー:4、5年前から感じていたのは「給料」より「パーパス」を探している人が増えているという傾向です。そして、新型コロナウイルスの影響をきっかけにして、その傾向が加速されているのではないかと思います。住む場所はもちろん、これからは時間・働くこと・お金・人間関係の意義を自分なりにみつけたいです。
佐渡:今はまだ小さい娘が自分の意思を持って動き出すころには、サステナビリティの考え方が広く浸透していて欲しいなと思います。そうすると、僕ができることはメディアをどれだけ広く多くの人に見てもらえるようにするかというところだと思うので、メディアを盛り上げていくことに力を注ぎたいなと思っています。
和田:最近、自分自身の働き方がサステナブルではないかもしれないと、バランスに苦しんでいるところです。気持ちのサステナブルと実際の体のサステナブルがミスマッチしてきている感じはあります、正直(笑)。気持ちのサステナビリティを充足させるためにやりたいことやっているはずですが、体のサステナビリティが、そこに100%マッチできない時もあるから、そこのバランスの見極めが課題かなというのはあります。心も体も健康でいないとRinaさんが言っていたように視野が狭くなってしまうので、心を充足させるためにがむしゃらに働きすぎないことも大切だよなぁと思います(笑)
最後に
家族の価値観や金額とのトレードオフという葛藤がありながらも、自分や周りの人の幸せに視座を高めて理解を深めている社内スタッフの姿が垣間見れたのではないでしょうか。
スタッフが「ここで働けて幸せ」と思うハーチが今後も持続可能であるために、心と体の健康に気を付けて、仕事をしていきたいです。次回の社内スタッフの座談会もおたのしみに!