【社内イベントレポート】長野にて植林作業を行いました
- On 2024年8月6日
- サステナビリティ, 植林, 長野森林組合
こんにちは!ハーチの松田です。
ハーチでは、2021年度分より、メディア運営で欠かせないサーバー利用に伴うCO2排出量を、長野森林組合の植林でオフセットしています。オフセット自体は契約し金額をお支払いすることで完了しますが、私たちとしてはそのやりとりだけで終わらせず、もっと地域との関わりを持ちたいという思いがあります。そこで、長野森林組合の皆様のご協力のもと、年1回、植林作業をさせていただいています。今年は、5月に社内メンバー8名が長野県信濃町での植林作業を行いました。その様子をお知らせします。
なぜ植林でオフセット?
そもそも、なぜハーチはメディア運営に伴うCO2排出量の一部を植林でオフセットしているのでしょうか?ハーチでは、2019年度分よりスコープ1およびスコープ2のカーボンニュートラル化、スコープ3の削減およびオフセットを行っています。オフセット先を選ぶ際は、単純にオフセットをするに留まらず、オフセット先の取り組みに自分たちが共感できるか、オフセットを機にその地域や取り組みに何か関わっていくことができそうか、を基準にオフセット先を選んでいます。
日本の森林の課題は大きく、微力でも関わる意義が感じられること、また、植林や下刈りの作業などを通じて長期的に関わらせていただく余地があることから、長野森林組合の森林にてオフセットさせていただくことにしました。2021年度分は21本、2022年度分は49本の植林をしています。
日本の森林の課題について学ぶ
植林作業に関わらせていただくにあたり、事前のインプットや当日の長野森林組合の方々とのやりとりを通して、日本の森林の課題を学びました。
- 海外では森林伐採が問題になる一方、日本の森林はむしろ増え続けている。収穫期を迎えた国産の木材を活用して、森の循環を促すことが重要。
- 林業を持続可能に成り立たせるためにも、いかに日常で木材を使ってもらうかが重要。
- 林業の従事者や森林の所有者が高齢化し、人手不足が深刻化している。
- 植林は数年後の森を作る作業。森を持続可能にしていくために植林は欠かせない。
- 植林後も、継続的にケアし続けなければ森は育たない。
- シカによる剥皮被害が深刻。
などの課題を学ぶ中で、森にもっと関心を持ち、関わることの大切さを感じました。
実際の植林の流れ
今回私たちは、長野森林組合の皆さまのご協力のもと、200本のカラマツを植樹しました。
植樹作業は2人1組に分かれ、一人が「ディブル」と呼ばれる器具を使って穴を堀り、もう一人が穴に苗木を植えていきます。畑のように耕されている土地ではないため、穴を掘る作業は思った以上に大変です。穴に苗木を入れたあとは、苗木がしっかりまわりの土につくように土を踏み固めていきます。このあと苗木は水やりをされることはなく、地面の水が頼りになるため、土を踏み固める作業はとても重要なのだそうです。
植林当日はあいにくの雨天でしたが、苗木にとっては雨は恵みの水。むしろ植林日和だと聞き、厄介な雨も有難く感じました。
話をしながら植林作業を進めていくと、あっという間に2時間が経ち、無事200本の植林が完了しました。
植えた木の今後
私たちが植えたカラマツが収穫の時期を迎えるのは30~50年後となります。最初の5~8年は、苗木の成長を妨げる下草を刈る作業が重要です。さらに、木の成長を促すために除伐や間伐の作業を繰り返し、数十年後にやっと木材になるのです。
植林をしていると、せっかく育っているのに密度を下げるために行う間伐はもったいないような気持ちも湧きました。しかし、木が小さいうちはある程度密度を高くして育て、木の成長に合わせて密度を下げていくということが、木の成長のためにどうしても必要なのだそうです。実際に作業をしながら話を伺うことで、森林に関わる仕事の一つひとつの意味が、実感を持って感じられました。
参加者の感想
今回は雨の中での作業となりましたが、長野森林組合の皆さんと話しながら進める作業はとても楽しく、あっという間に時間が過ぎました。参加者の声を一部紹介します。
- 初の植林体験だったということもあり、植林の方法や現場などを知ることができて良い経験になりました。また、森林の中で手を動かして作業するのはシンプルにリフレッシュになりました!
- 作業自体も良い体験でしたが、森のこと、林業のこと、野生動物のこと、まだまだ知らないことが一杯でした。もっと現地でのリアルな体験を通して感じ、識る機会を増やしたいです。
- 手入れの必要な人工林は毎年増加しているが林業従事者は減少している今、森林へ多様な属性の人々が、関わる必要がありそう。植林だけではない関わりしろも見つけるべきではないかと感じました。
ハーチでは、これからも事業を通して環境がよりよくなり、社会につながりが生まれるようなリジェネラティブなビジネスを目指し、活動を続けてまいります。