社会をもっとよくするWebマガジン「IDEAS FOR GOOD」編集部が語る、柔軟で否定しないメディア【メディアインタビュー】
- On 2021年12月15日
- IDEAS FOR GOOD, インタビュー, メディアインタビュー
こんにちは!ハーチの杉山です。今回は、当社が運営する「IDEAS FOR GOOD」編集部から3人のメンバーに集まってもらい、インタビューを行いました!
社会をもっとよくする世界のアイデアを集めたウェブマガジンを運営するメンバーは、普段どのようなことを考え、工夫しているのでしょうか。メディアとしての取り組みから当社での働き方、そして仕事の魅力までをたっぷりお伝えします!ぜひお読みください。
参加メンバー
- Kimika:IDEAS FOR GOODの編集長。入社から4年
- 伊藤智子:IDEAS FOR GOODでライティング・編集、メルマガ担当。入社から1年と8か月
- Masato:IDEAS FOR GOODを中心に、当社のメディアで動画制作を担当。入社から3か月
ハーチのスタッフとの出会いが入社のきっかけに
Q. 本日はよろしくお願いします!まずは皆さんの入社の経緯を教えてください。
伊藤:私は、IDEAS FOR GOOD編集部で働く知人からIDEAS FOR GOODの話を聞いて、興味を持ったのがきっかけです。最初はインターンとして入社し、半年後には正社員となりました。入社後はニュースやインタビュー記事の執筆、また編集にも携わっています。
Kimika:私はもともとデンマークに滞在していて、帰国後に転職活動を始めました。メディア業界を中心に求人を探していたのですが、なかでもハーチの働き方の自由さに惹かれました。IDEAS FOR GOODでは、デンマークで知り合った水野渚さんという方が記事を書かれていることを知り、より一層入社への意欲が湧きました。
Masato:実は私もデンマークに長期留学していた大学3年生当時に、現在編集部メンバーの水野さんや、Kimikaさんと出会っていました。帰国後、一度は別の会社に就職しましたが、水野さんからお誘いをいただいたことで、ハーチへの入社を決めたのです。
同じメディアでも興味のある分野はさまざま
Q. 幅広い社会課題を取り扱うIDEAS FOR GOODですが、とりわけどのような分野に興味・関心がありますか?
伊藤:私は主に難民の貧困問題に関心を寄せています。大学時代にフランスに留学し、街で難民を目にする機会が多かったのです。日本ではなかなか見ない光景ですよね。「この人たちはなぜこのような状況に置かれているのだろう?」と疑問を持ち、大学院でも移民・難民のアイデンティティや支援のあり方を重点的に学びました。帰国後は東京の難民支援団体でインターンシップをし、難民の方々の就労支援や日本語学習のサポートをしていました。
最近では、この仕事で取材を重ねたことで、興味を持てる分野が広がってきました!今は人の生き方や働き方にも興味がありますし、元々旅や田舎が好きなのでまちづくりや地域おこしにも興味があります。プライベートでは最近、大阪から、千葉の海辺に移住しました。
Kimika:特に興味を持っているのは教育分野ですね。高校でデンマークに1年間交換留学をしていたのですが、日本との違いに驚いたことを覚えています。たとえば英語の授業はディスカッションやロールプレイングが中心で、中学生でも政治や王室(※日本に皇室があるように、デンマークには王室がある)に対する意見を堂々と話していたり。
教育は、人権意識や将来の働き方など、ありとあらゆるものの基礎であり、伊藤さんが言ってくれた貧困問題の根源にも存在するものと捉えています。
Masato:私が興味を持っているのは、働き方です。大学で労働社会学を学んでいた際に、週38時間労働の国(=デンマーク)があると知って、興味を持ちました。
あと、デンマーク留学時には寮で暮らしていたのですが、ルームメイトは22時に就寝していたのです。話を聞くと、デンマークでは多くの人が8時間睡眠が大切という価値観を持っているのだそうで。そういった経験もあり、一人で行動するのではなく市民全体で動く民主主義や働き方というものに関心を持っています。
誰も排除しない「IDEAS FOR GOOD」のスタンス
Q. 伊藤さんとKimikaさんは記事の発信がメインの仕事ですが、執筆や編集をするなかで大切にしていることを教えてください。
伊藤:「誰も排除をしない」というスタンスは、編集部全体に共通して言えることですね。自分たちの想いが最大限に伝わる書き方を意識しつつ、記事を読んで傷つく人がいないかどうか、のちの差別を助長しないか、分断を生む考え方じゃないか、など細かく考えています。インタビュー記事では、取材相手の人柄が魅力的に伝わるようにしています。
あとは、読み手に「社会課題は自分ごと」だと感じていただくのも大切なことです。ニュース記事では、身近なものとして内容を捉えられるように、社会課題は描きつつも、堅すぎず、ゆるすぎない文章の執筆を心がけています。
Kimika:伊藤さんの言ってくれた通りです。記事の執筆前のテーマ選定の段階で1回、そして記事を書き終わったあとの公開前の段階で1回と、先輩後輩などの立場に関係なく内容のフィードバックができるプロセスを合計2回挟んでいます。書き手以外の目線を入れることで、細かいニュアンスの違いにも気づくようになるのです。
Q. たくさんのアイデアを発信しているIDEAS FOR GOODのネタは、どこから探してくるのでしょうか。
Kimika:この質問、本当よく聞かれます!(笑)私たちはいつも、ポジティブなニュースを発信している海外のニュースサイトを見ていますね。
たとえば「TREND HUNTER」のような、面白いサービスや商品をまとめて紹介しているサイトは参考になります。あとは、運営を続けていくなかで、ありがたいことに多くの企業様から掲載依頼をいただくことができていて、これからますます分野が広がっていきそうです。
Masato:編集部に入ってちょっと驚いたのが、ネタの選定基準ですね。ユニークポイントを3つ挙げなければならなくて、掲載のハードルが結構高い。
Kimika:確かにネタはかなり厳選しています。たとえば10個あったとしても、そのうち取り上げるのは2個程度です。取材先にしても、知名度ではなく「社会課題に対してユニークなアプローチで解決しようとしているか」を重視して選定しています。
働きやすい環境をつくり出す、ハーチの懐の深さ
Q. 続いて、IDEAS FOR GOOD編集部の働き方についてお伺いしたいです。実際働いていて、いかがでしょうか?
Masato:意思決定のスピードも、業務のスピードも速いです。全員「いいアイデアがあったらやってみよう!」のマインドが強いと感じています。たとえ一つの行動がうまくいかなかったとしても、すぐに方向転換することで気持ちを切り替えられます。原則リモートワークなので、好きな場所で自由に働けるところも魅力です。
伊藤:職場のスタッフは、尊敬できる人しかいないのです。私は入社研修をリモートで受けましたが、その研修がとても丁寧で、質問や相談も気軽にできる雰囲気でした。リアルで顔を合わせることがなく、初めての仕事が始まるなかで不安な気持ちもありましたが、環境を整えてくれて、とてもありがたかったです。
あと、みんな「聞く姿勢」を持っていて、人格を批判しません。もちろん多様な意見はあるけれど、人の話を聞いたうえで自分の意見を伝えるというスタンスが心地良いなと感じています。私も取材記事ではまず取材相手の言葉を伝えるようにして、自分の視点は編集後記で伝えるようにしています。
Kimika:ハーチ社内全体に言えることですが、本当に自由。フレックスタイム制があって、働く時間を自分で決められます。こうでなければならない、という一つの考えに固執しすぎることもありませんしね。私が入社した当初からずっと柔軟だったように思います。
Masato:あえて言うとしたら、アイデアを真っ先に否定されたり、仕事に対して厳しい指摘を受けたりすることがないので、仕事のセルフチェックがすごく難しい。今後は、共に働く仲間やコラボ先の企業の方々から得た知恵を成長の糧にしていきたいですね。
多様な価値観と人を大切にして、幅広い世代に愛されるメディアに
Q. 最後の質問です。社会課題や社会変革に興味を持っていない方に対して、今後はメディアを通してどのような変化を起こしていきたいですか。
Kimika:IDEAS FOR GOODは、社会課題自体に興味がなくても、アートやテクノロジーなど、ユニークな「解決策」の方に興味があればインスピレーションになれるメディアです。今も、10代から50代以上と幅広い年代の方が読んでくださっています。
今後、どんなにメディアが成長しても「共感できるメディア」でありたいと考えています。ソーシャルグッドという、現状ではニッチな分野に取り組んでいますが、行動しない誰かを責め立てたり、押し付けたりするのではなく、「自分だったらこうしちゃうよな」みたいな感覚は持った上で、では何ができるのか、を提示できればと思います。
伊藤:今後取材をするなかで、いろいろな人に会って話を聞いたり、未知の土地に行ったりすることはあると思いますが、多様な価値観を学び続ける姿勢は貫きたいですね。
あとは動画編集が得意なMasatoさんが参加してくれたことで、今後はInstagramやYouTubeなど、ビジュアルの力を使って情報をお届けしていきたいと思います。
Masato:人の行動を変えるのは本当に難しく、記事を読んでもらえたとしても変わらない人もいると思うのです。「じゃあ最強のメディアって何?」と考えたときに、それは「人」だと私は思います。自分も留学時の友人から、何百リットルもの水を使って栽培するアボカドが地球に優しくないと聞いて、2年くらい前からあまり食べないようになりました。
それをメディアにどう応用するかを考えたときに、人と人とのコミュニケーションを少しでも盛り上げたり、動画で彩りをプラスしたりしたいと思っています。今後は、興味を持っていただける動画を制作して、人々のポジティブな行動変容ができたら理想的ですね。
伊藤:本当に、「人」こそが最も大切な存在ですよね。私も行動のフックになるような記事をこれからも作っていきたいです。
まとめ
SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにするメディアや、サステナビリティをテーマにするメディアは今、どんどん増えてきています。
そんななかで、人のインスピレーションになる、自分もやってみようと思える世界のアイデアを毎日発信するIDEAS FOR GOODは、これからも自由に、フラットに話し合いながら進んでいくでしょう。
次回のメディア座談会もお楽しみに!
【関連サイト】IDEAS FOR GOOD