世界中の企業と一緒に、情報を通じてローカルの生活を豊かにしたい【スタッフインタビュー#18】
- On 2021年11月10日
- IDEAS FOR GOOD, IDEAS FOR GOOD Business Design Lab, インタビュー, スタッフインタビュー
こんにちは!ハーチの杉山です。今回のスタッフインタビューはIDEAS FOR GOOD Business Design Lab(以下、BDL)チームの伊藤に話を聞きました。
BDLは、世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」編集部が運営する、企業や団体のサステナビリティ支援のためのプラットフォームです。「Turn Ideas into Actions(アイデアを形に変える)」をコンセプトに、SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティ、CSV(共有価値創造)やESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を自社の事業開発や商品開発、ブランディングやマーケティングに取り入れたい企業の皆様に対して、情報収集からアクションまでをワンストップで支援しています。どのような想いで日々業務を行っているのか、ぜひご覧ください。
プロフィール
伊藤 恵(いとう めぐみ):
一橋大学社会学研究科にて都市社会学を専攻。新卒でオフィスのインテリアデザインを手掛ける企業に就職し、認定ファシリティマネージャーの資格を取得。2020年4月にハーチ株式会社に入社。IDEAS FOR GOOD Business Design Labで、さまざまな企業のサステナビリティ・トランスフォーメションを支援する。現在はイギリス・ロンドン在住。オランダ・ドイツ・フランス在住のメンバーとともに、欧州チームでのプロジェクトも推進中。
世界中の企業と一緒に、情報を通じてローカルの生活を豊かにしたい
苦手なことに向き合った学生・新卒時代
学生時代は、シンガポールをフィールドに、さまざまなバックグラウンドの人がいる都市のパブリックスペースのあり方を研究していました。この分野に興味を持ったのは、空間へのこだわりが強かったこともそうなのですが、もともと価値観の異なる人とのコミュニケーションが苦手だったという理由が根底にありました。同じ言語を話す、同じ年代の人でも通じ合えないことがあるのに、多文化都市はどのように成立しているんだろう。その疑問に対する答えを、研究を通して探していたような気がします。現地の方にアポイントを取って、会話をして、食事をともにして…… 学生時代のそうした一通りの経験は、そもそもわからないことが当たり前だということと、時間がかかっても相手のことをじっくり知る大切さと楽しさを教えてくれました。
新卒では、何か「空間」に携わる仕事がしたいと思い、企業のオフィスデザインのプロジェクトマネジメントを行う企業に入社しました。スケジュールが肝となる職場で社会人の基礎を学んでいた最中、「もっと自分のクリエイティビティやオリジナリティを発揮できる仕事を、外部の人とフラットな目線でしていきたい」「表現の幅を広げたい」という思いが強くなりました。そして、もともと知り合いだったハーチの宮木さんのスタッフインタビューを読んで、ハーチを知ったことが入社のきっかけでした。
BDLチームで働くなかで学んだ「クライアントはパートナー」
私がハーチに入社する少し前に、BDLが始動しました。もともとメディアの仕事に興味を持っていたにも関わらず、さまざまな業種の方と会えるコラボ案件が楽しくなり、気づいたらBDLチームに軸足を置いていました。BDLでは、基本となるようなルーティンワークがあるわけではないので、一緒に仕事をする仲間やクライアントとすり合わせをした時点で初めて仕事の輪郭がはっきりとしてきます。工夫してやりようのあることは基本的にNOと言わないため、その都度覚えることも多いですが、今では社外の方も含め、周りの人と共通の目標を達成していく過程が面白いなと思うようになりました。
今までBDLでは企画、展示、リサーチ、ワークショップ・勉強会の実施、などいろいろな案件に携わりました。チームに入って良い意味で一番カルチャーショックが大きかったのはクライアントとの関係性です。ハーチはミッションで「Publishing a better future」と謳っている通り、環境や社会にとって本当に良いものをビジネスというフィールドで模索しています。そうしたメディアを通じてコンタクトを取ってくださるからか、一緒に仕事をする方は自社の事業だけではなく、さらに先にある環境や社会を見据えている方が多い気がします。「クライアントのために仕事をしている」というよりは「クライアントと一緒になって共通のゴールを目指している」感覚が強いです。困ったことがあると、クライアントに相談し、助けていただく機会も今までたくさんありました。
より広い範囲の企業と共創できるように
ハーチでお世話になっているのは、日本の企業だけではありません。以前、IDEAS FOR GOODの取材をきっかけに、イギリスでサステナブルウェブデザインを手掛けるWholegrain Digital社と共同のワークショップを企画したこともありました。ドーナツ経済学に関するワークショップを行った際は、蘭・Circle Economyや英・Doughnut Economics Action Labにコンタクトを取り、知見をお借りしました。困ったときに頼れる企業が世界中にいるのは心強いですし、国外にも積極的に知見を開いていこうとするハーチの文化はチャレンジングで良いなと思っています。
2021年9月から、私はBDLに軸足を置いたまま、欧州チームの本格始動に向けてロンドンに拠点を移しました。欧州チームでは、現地のサステナビリティ情報やナレッジをハーチのメディアと組織を通じて日本の皆さんに届けていこうとしています。またこれは少し先の話になるかもしれませんが、日本のサステナビリティや日系企業の取り組みを欧州に発信する動きもつくれればいいなと思っています。
知見はグローバルに、生活はローカルに
以前企画したドーナツ経済学のイベントにて、ゲストの方から「新しい考え方・知識など『質量のないもの』はグローバルに循環させ、資源など『質量のあるもの』は地域で小さく循環させる」というコメントをいただきました。そのとき、私がハーチの仕事を含む生活で大切にしていきたいのはまさにそういうことだなと思いました。実際に日本で多くの方が世界中のニュースを発信するIDEAS FOR GOODを読んでくださっているように、生活や事業のアイデアやヒントは世界中に転がっています。なるべく多くの人が純粋に「面白い!」と思える情報にアクセスできるよう、世界中の情報を記事・イベント・プロジェクトで発信していくことがこれからも続けたいことの一つです。
一方で、そうしたグローバルな知見にヒントを得ながら、より多くの人が自分の生活する地域で衣食住を楽しみ、日頃顔を合わせる範囲の人とのコミュニケーションを大切にするようになるといいなと思います。これに関しては、私自身まだまだだと感じているので、行き来しているロンドンと東京で地元の人が大切にしていることを学びながら、心地いいライフスタイルを探っていきたいです。ハーチには社内外の活動を通して地域での取り組みやコミュニティを大切にしているメンバーがたくさんいるので、これからもヒントをもらおうと思います。