【Circular Yokohama】イベントレポート「株式会社浜田のサステナブル研修ツアーを開催しました」
- On 2023年10月30日
- Circular Yokohama, イベント, イベントレポート, サステナブル, 循環型社会, 循環型経済, 横浜, 研修
当社が運営する、横浜の循環経済を促進するプラットフォーム「Circular Yokohama」では、8月24〜25日株式会社浜田(以下、浜田)に向けた社内プログラムの一環として、サステナブル研修ツアーを一般社団法人サステナブル・ビジネス・ハブ(以下、サステナブル・ビジネス・ハブ)とともに開催しました。
※この記事はCircular Yokohama「(株)浜田のサステナブル研修ツアーを開催しました【イベントレポート】」を転載したものです。
サステナブル研修ツアーについて
本ツアーは、サステナブル・ビジネス・ハブの主催によるプログラム。浜田の社員が中期経営計画の立案・策定を行うことを見据えた社内研修を目的とし、全3回のフィールドワークで構成されています。
浜田は大阪に拠点を置き、「あらゆる環境ソリューションに関する答えを持つ企業」として、産業廃棄物事業、スクラップ事業、解体事業、エネルギーソリューション事業の4つを柱に経営を行う企業です。
今回Circular Yokohamaでは、3つのフィールドワークの1つ、「東京・横浜」を舞台とするプログラムをコーディネート。当日は、浜田より参加の15名の社員の皆様とともに、2日間かけて全10箇所を視察しました。
1日目:廃棄物の循環と地域資源の関係を捉え直す
ナカノ株式会社
ツアー1日目の前半は、横浜市内〜横浜周辺地域にて廃棄物の循環に取り組む事業者を訪問しました。
まずは、金沢区に位置するナカノ株式会社(以下、ナカノ)で、繊維・衣類のリサイクル現場を見学しました。
施設ツアーの最中には、コロナ禍での繊維・衣類リサイクル業の様子や、今後の業界の展望について意見交換が行われました。
衣類に特化したリサイクル事業の現場を目の当たりにし、「廃棄物事業」とひと口に言っても、扱う資源の種類が異なると価値観やビジネスモデルに違いが生まれることがわかりました。
武松商事株式会社
続いて、同じく金沢区を拠点に廃棄物の収集運搬や資源のリサイクル事業を営む武松商事株式会社(以下、武松商事)を訪問。施設の見学に加え、浜田の参加者と武松商事の担当者によるディスカッションを行いました。
特に参加者の注目を集めたのが、武松商事が展開するアップサイクル工房「くるり工房」の活動。
市内各所でものづくりを中心とするワークショップを数多く企画している担当者の「自分で作ることができれば、修理することもできる。生活者に向けて知恵や技術を広めながら、アップサイクルの楽しさを直接届けていきたい」というお話に、廃棄物を扱う事業者だからこそできる市民との向き合い方を学ぶことができました。
リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」
ツアー1日目の後半は、2つのグループに分かれて見学を続けます。
Aグループは鎌倉にて、産官学民連携プロジェクト「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』」(※)の共創拠点を訪問しました。
※「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』」とは:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」地域共創分野・本格型プロジェクトに採択された活動。「循環者になるまち〜社会でまわす、地球にかえす、未来へのこす〜」というビジョンの実現に向け、3DプリンティングやAI、IoTセンサーなどのテクノロジーも活用しながらプラスチックなどの資源循環による地域の課題解決に取り組んでいる。
鎌倉市では、2025年の市内焼却施設閉鎖に向けた廃棄物の削減が喫緊の課題となっています。今回はプロジェクトを主導する、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)教授の田中浩也さんに、鎌倉市が産官学民連携で、どのようにこの課題に立ち向かっているのかを教えていただきました。
後半の質疑応答で、3Dプリンターによる取り組みの話題が盛り上がり、田中さんの研究者ならではの視点に気づきや学びを得た参加者が多くいました。
YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM・夕方マルシェ(株式会社Woo-By.Style)
他方、Bチームは引き続き横浜市内のフィールドワークです。
はじめは、Circular Yokohamaの活動拠点である星天qlay「qlaytion gallery」にてYOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUMを見学。
続いて、株式会社Woo-By.Styleが展開している課題解決型マルシェ「夕方マルシェ」の横浜市役所会場を視察しました。
ここでは、横浜が抱える多様な地域課題の解決拠点として「マルシェ」がどのように機能するのか、夕方に開催することで地域社会にどんな好影響が生まれるのか、などを勉強しました。
haishop・KITCHEN MANE(株式会社Innovation Design)
1日目のプログラムを終えた参加者は、株式会社Innovation Designが運営する、社会課題解決を目指すおみやげショップ「haishop」に集合。並んでいる製品のこだわりポイントや併設するカフェのメニューのこだわりについてお話を伺いました。
その後、同じくInnovation Designが運営するサステナブルレストラン「KITCHEN MANE」へ移動しました。様々な理由で一般流通が叶わなかった農産物や未利用の肉・魚を活用した創作料理をいただきながら、プログラムで学んだことを振り返り、ツアー1日目が終了しました。
2日目:循環型ビジネスの今とこれからを探る
株式会社大川印刷
ツアー2日目の前半は、横浜で100年以上の歴史を持ち環境に正しい印刷に取り組む、株式会社大川印刷を訪問しました。
大川印刷でのプログラムのメイントピックは、ボトムアップ型の経営を実現するために、どのように社員一人ひとりの士気を高め、社内一丸となって進んでいくのか。
大川印刷が進めるSDGs経営計画をご紹介いただき、浜田の参加者は、中期経営計画策定に向けた多くの着想を得ることができました。
KAWA KITCHEN(株式会社スライバル)
午後は、東京・浅草周辺でのプログラムです。
まずは、食を通した持続可能な社会作りへの貢献を目指す株式会社スライバルが運営するサステナブルレストラン「KAWA KITCHEN」を訪問しました。
2階のカフェスペースでお食事をいただきながら、提供される食材や店内の至る所に施されたサステナビリティへの配慮についてご紹介をいただきました。
株式会社ファーメンステーション
続いて、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップ株式会社ファーメンステーションの見学です。
創業のきっかけから発酵技術に関する説明まで、未利用資源の活用に紐づくお話を幅広く伺いました。
質疑応答では、有機物の活用に向き合うファーメンステーションと無機物の活用に取り組む浜田、それぞれのもつ技術や知見から廃棄物が抱える課題解決のアイデアを出し合い、今後の共創につながる種まきの時間となりました。
Rinnebar(株式会社RINNE)
本ツアー最後のフィールドワークは、株式会社RINNEが運営するものづくりバー「Rinnebar」での、廃材を利用したものづくり体験です。
はじめに、Rinnebarの事業について解説をいただきました。
その後、用意されたメニューの中から、参加者各々が作ってみたいものを選んでクラフト開始です。多種多様な古布や廃材の中から好きな色や柄の組み合わせを検討し、作業に取り掛かります。
参加者同士、日常業務で交わす会話とは異なる話題で盛り上がったり、お互いの知らなかった情報を知ったり、偶然生まれたチームビルディングのような時間となりました。
2日間の振り返りとディスカッション
ツアーの全プログラムを終えた参加者たちは、2日間のツアーのまとめを行いました。
本ツアーの目的は、浜田での中期事業計画の策定に向けたインプットです。各視察先で見聞きした革新的なビジネスモデルや企業理念を振り返ると、様々な理想や展望が浮かびます。
参加者たちの話し合いの論点は、それらのアイデアを理想にとどまらせるのではなく、具体的な事業として実現させていくために今何が必要なのかということ。
環境課題に対してあらゆるソリューションを提供することを宣言している浜田の視点から廃棄物の循環のあり方を捉え直すなかで、参加者からは次のような意見が挙がりました。
「事業活動には、ワクワクするような楽しい気持ちで向き合えることが大切だ」
「新しい事業の確立に必要なのは、初めの開発だけではない。どのように持続可能な循環とするのかまで考えることが重要ではないか」
終わりに、本プログラムの企画を担当するサステナブル・ビジネス・ハブより、次回のフィールドワーク開催を踏まえた学びのポイントの共有があり、Circular Yokohamaがコーディネートする2日間のツアーは幕を閉じました。
開催後記
2日間、楽しく和気あいあいとした雰囲気で進行した本ツアー。いかがでしたでしょうか。
今回、浜田とCircular Yokohamaそれぞれの活動に込める想いや現状をざっくばらんに共有しあいました。
特に「家族にゴミの正しい分別を呼びかける時に、どんな工夫をしているか」という議題では、日常生活における廃棄物との関わり方にとどまらず、関西と関東のごみの分別方法や行政のサポートの違いについての情報交換にまで至り、それぞれの地域の良いところや課題について学ぶことができました。
現地での視察ツアーを通じて得られる学びには、各現場にある廃棄物や機械といった「もの」を見ることだけでなく、他企業・他団体の「人」と交流できるところにもあります。
現場の空気や周辺環境、現場で働く人の様子を五感を通じて知る経験は、オンラインでは取って代わることのできない貴重な時間です。
Circular Yokohamaでは、横浜のサーキュラーエコノミー推進および、循環する社会の構築を目指したアイデアの発信や交流機会の創出を強化してまいります。
【参照ページ】Circular Yokohama「(株)浜田のサステナブル研修ツアーを開催しました【イベントレポート】」
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