【Circular Yokohama】イベントレポート「思い出の詰まった体育館床材が、新たな循環の旅へ。『よこはま建築ひろば2024』にて展示&ワークショップ開催」
- On 2025年1月9日
- Circular Yokohama, REYO, よこはま建築ひろば, アップサイクル, イベントレポート, ワークショップ, 地域活性化, 展示, 床材, 循環, 横浜
2024年11月9日、当社が運営する横浜市内における循環型のライフスタイルを推進する「Circular Yokohama」は、横浜市庁舎で行われたイベント「よこはま建築ひろば2024」にて体育館の古床材を利活用したオリジナルアイテムを展示し、ワークショップを開催しました。
※この記事は、Circular Yokohama「思い出の詰まった体育館床材が、新たな循環の旅へ。『よこはま建築ひろば2024』【イベントレポート】」を転載したものです。
「よこはま建築ひろば2024」オリジナルアイテムの展示&ワークショップ開催レポート
2024年11月9日、「よこはま建築ひろば2024」が横浜市庁舎にて開催されました。これは、未来を担う子どもたちに建築やものづくりの楽しさを実感してもらうことを目的に、横浜市建築局と公益財団法人 横浜市建築保全公社が主催するイベントです。当日は、地域の企業や団体が参画する多様な展示やワークショップを開催し、家族連れや地域住民で賑わいました。
また、Circular Yokohamaを運営する当社は、横浜市政策局による「テーマ型共創フロント」を通じて、同市建築局が取り組む市内の公共建築物の古材を新たな価値へとアップサイクルする「REYO(リヨー)横浜市再利用材プロジェクト(以下、REYO)」に参画。本イベントにて、体育館の古床材を利活用したオリジナルアイテムを展示しました。
本記事では、「REYO」に関連する展示とワークショップの様子をレポートします。
使い終わった体育館床材に新たな役割を与える
イベントの中心的な展示として注目を集めたのは、「REYO」の一環である、アップサイクルされた体育館床材の作品群です。
横浜市には、令和6年度現在、502の市立学校があります。各学校の体育館に使用する床材の寿命はおよそ40年。子どもたちの健康と安全を守るため定期的に張り替えられるため、横浜市だけで年間5,000平方メートル(体育館10個分)の床材が、その役目を終えます。
現在、使用済みの床材の多くは木質チップ化され燃料として利用されています。しかし、入学式から卒業式まで様々な場面を見届けてきた体育館の床材には、様々な思い出が詰まっているはずです。
「REYO」を通じた体育館床材の利活用は、そんな特別な木材だからこそできる再利用の形を探るべく、「おもいでの材を、これからも。」というコンセプトの下に生まれたプロジェクトです。
今回の展示では、横浜市立学校の体育館で使われていた床材から制作したフラワースタンドやプランターカバー、理科室の椅子、時計など多彩なプロダクトが展示されました。
Circular Yokohamaは、ペットボトルキャップを使って遊ぶスロープトイや「めぐる星天文庫」のミニ本棚、そして「YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM」の展示台を出展しました。
本イベントの出展に向け、Circular Yokohamaでは手作業による床材の加工を実施。サクラやカエデの木を使って作られる床材は、子どもたちの日々の運動を支えるためとても強くて硬い素材です。
そこで、木の特性を理解し、それに合わせた施工方法を探すことから始まりました。
様々な実験を繰り返しながら、限られた時間と場所、道具を使って実用的なアイテムを作ることは容易ではありません。さらに、古材ならではの釘や接着剤、木のささくれが多く、均一ではない素材を組み合わせる必要があるため、デザインや設計にも多くの工夫が必要でした。
そうして多くの試行錯誤の末に完成したアイテムが当日のイベント会場に並ぶと、開始早々多くの来場者の注目を集めました。
特にスロープトイは、作品の前に行列ができるほど親子連れから大人気。床材でできたパーツを動かしながら、自由にコースを作って楽しむ子どもたちの笑顔が絶えませんでした。
また、友達同士で譲り合いながら遊んだり、使い終わった後に次の人のために片づけをしたり、自主的にルールを守りながらアイテムを楽しむ子どもたちの姿が印象的でした。
古材の持つ特性を活かしながら、限られた資源を未来のために循環させるこの取り組み。その価値を、楽しみながら体験していただく時間となりました。
頭を動かして学ぶ、体育館床材を使ったものづくりワークショップ
会場では、展示だけでなく、参加型のワークショップも大盛況でした。
体育館床材の端材で作ったキューブで立体パズルのソーマキューブのピースを作るアクティビティでは、子どもたちが夢中で作業に没頭。集中するあまり、立ち上がって説明書を見つめる子どももいました。
自分で作った7つのピースを使って、立方体や山、結晶など、出されたお題を組み立てる場面では、「できた!」という声が会場に響き渡り、自らの手で作品を完成させる喜びを味わっていました。
木材の特性を学びながら行うものづくりは、子どもたちにとって新たな気づきをもたらし、資源を大切に使う意識を育む機会となったようです。
出展後記
メディアの運営を専門とするCircular Yokohamaにとって、建材のアップサイクルは初めての取り組みでした。
「本当に完成するのだろうか」と暗中模索の状態で、日常的に使うことがないノコギリやベルトサンダーなどの道具を活用し、時間をかけながら作品を作り上げました。
多くの苦労がありましたが、完成したそれぞれの作品がイメージ通りに活用され、子どもから大人まで多くの市民が楽しみながら体験している光景を見ることができた時は、制作した甲斐があったと感慨深く喜ばしい気持ちになりました。
今回制作した各作品は、今後Circular Yokohamaがプロデュースする移動式ミュージアム「YOKOHAMA CIRCULAR DESING MUSEUM」やシェア本棚「めぐる星天文庫」の展示什器として活用してまいります。
そして、Circular Yokohamaでは今後も横浜市建築局との共創を深め、「REYO」の取り組みを通じたサーキュラーエコノミーの推進に協力してまいります。
【参照ページ】Circular Yokohama「思い出の詰まった体育館床材が、新たな循環の旅へ。『よこはま建築ひろば2024』【イベントレポート】」
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