循環型社会の実現に向けた日台連携──台湾デザイン研究院主催のサーキュラーデザイン視察を実施しました
- On 2025年12月12日
- circular design, TDRI, アジア, サーキュラーエコノミー, サーキュラーデザイン, デザイン, 台湾, 視察ツアー
台湾では近年、サーキュラーエコノミーの推進を重要政策として位置づけ、設計・製造段階から循環型社会の構築を目指す動きが進んでいます。そうしたサーキュラーデザインの取り組みをより一層強化していく目的で2025年夏、台湾の政府系デザイン推進機関「台湾デザイン研究院(以下、TDRI)」主催のもと当社は、日本におけるサーキュラーデザイン視察ツアーを企画・運営しました。
本視察は、TDRIの要請を受け、当社がアレンジ・コーディネートを担当。8月25日(月)〜28日(木)の4日間、東京周辺で先進的な取り組みを行う自治体や企業などの組織を訪問しました。最終日には、循環型社会の実現に向けた日台の連携強化を目的に、交流会を開催。期間を通じて日台双方の間で活発な意見交換が行われ、今後の連携や新たな協働に向けた有意義な第一歩となりました。
視察概要
視察には、TDRIの院長・副院長や循環設計に取り組む責任者といったメンバー及び台湾にて先進的に循環型事業へ取り組む企業、メーカー、デザイナー等、総勢20名程が参加。台湾側からの要望に合わせ、ハーチから提案そして依頼のもと、各組織への訪問を行いました。
視察先一覧 日付別(訪問順、敬称略)
DAY1.

DAY2.

- ハーチ(当社)
- RECOTECH
DAY3.

DAY4.

DAY5.

台湾側参加組織一覧(順不同、敬称略)
山恩實業
建築廃材やガラス片などを再資源化した次世代再生石英石「nexea」の開発など、持続可能な建築素材の未来を創造する素材メーカー
URL:https://www.saiens.tw/
台灣觀光地方創生協會
地域の廃棄材の利用による町おこし等の活動を通じて、台湾の地域振興と持続可能な観光を推進する非営利型DMO
URL:https://www.ctcat.org.tw/
益鈞環保科技股份有限公司
おむつ再資源化の特許技術を持つ環境企業
URL:https://yichungt.com/
交叉鑄造所
先端技術・文化・サステナビリティを融合した空間づくりに携わる建築家。AI設計やローカル素材を活用した低炭素・循環型建築も推進
樸象創意整合有限公司
中国初のESG認証を取得したコスメティック企業「珀萊雅」の顧問を務め、環境配慮型スキンケアブランド「DEMIAN SKIN」の共同運営を行うデザイン会社
URL:https://www.facebook.com/p/JIVA-Design-100057078264880/
芳德鑄鋁股份有限公司
50年以上にわたりアルミ製家具のOEM輸出を手がける企業。モジュール設計と自動化生産に強みを持ち、生産から販売・リサイクルまでの「クローズドループ型」循環システムを実現
URL:https://www.fafacasa.com/
Dishan studio
循環設計を核とする台湾のデザインスタジオ。製品開発、素材活用、空間企画、デザインリサーチなどを手がけ、デザインとサステナビリティの融合を推進
URL:https://dishandesign.com/
未來式有限公司
“All about better future”をコンセプトにした台湾をはじめとしたアジアのデザインブランドをキュレーションした店舗運営を通じて、未来志向の暮らしを提案
URL:https://www.thegalaasia.com/
茶籽堂
台湾の在来の“苦茶”を用いて、自然由来のシャンプーやボディソープ、スキンケア製品を展開するブランド。農家との契約栽培から製造、パッケージ、地域還元までを一貫して行い、土地に根ざした循環型のものづくりを実践
URL:https://www.chatzutang.com/
台旌景觀設計工程有限公司
都市から農村まで、人と植物が心地よく共に生きる空間をデザインするランドスケープ設計会社。緑のある環境にやさしい生活を広めるべく活動
URL:https://taigen-landscape.com
世代設計股份有限公司
リサイクル技術と社会的価値創造を掛け合わせた台湾の循環デザイン企業。移動式リサイクルトラック「REturntle」や再生素材プロダクト開発を通じて、廃棄物削減・環境教育・地域循環を推進
URL:https://www.fngdesign.com.tw/
台灣設計研究院
デザインを通じて台湾の産業・社会・文化の革新を促進する台湾の政府系デザイン推進機関
URL:https://www.tdri.org.tw/zh-TW
視察を終えて(一部参加者コメント)
参加者の一人である未來式有限公司の創業者、汪麗琴(ワン・リー チン)さんは、4日間の行程を経てこのようにコメントしました。
「循環デザインの理念を生活者との接点においてどう表現していくかを改めて考えるきっかけになりました。特に国際ブランドが、製品開発にとどまらず、素材の選定、パッケージデザイン、ブランドストーリーにまでサステナビリティを浸透させていたのが印象に残っています。私たちとしても、店舗や展示での循環素材のストーリーの発信や、扱うブランドへの素材のトレーサビリティやリサイクル構造の透明化の促しなど、取り組みを進めていければと考えています」
その他参加者からも「日本の産・官・学が循環経済にどのように取り組んでいるかを理解した」「持続可能な未来への自信をより強めることができた」「今後よりサーキュラーデザインを自身のプロジェクトで推進していきたい」といった声があがっていました。
改めて視察受け入れ組織や交流会参加者の皆様に御礼をお伝えします。本視察を起点に、日台がともに循環型社会の実現に向けた取り組みをさらに広げていけるよう、引き続き共に歩んでまいります。
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