気候危機や生物多様性の喪失など経済活動が環境にもたらす影響が年々深刻さを増すなか、世界ではサステナビリティ推進のための「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」が注目を集めていますが、実は「デジタル」そのものが、多大な環境負荷を出していることはあまり語られていません。現在、デジタル業界は世界の温室効果ガス排出量の約2%を占めており、今後もデジタル人口の増加および5Gを始めとするテクノロジーの進化により、デジタル業界がもたらす温室効果ガス排出量はさらに増加することが見込まれています(※1)。
また、デジタルコンテンツの閲覧にはパソコンやスマートフォンなどのデバイスが必要ですが、これらのデバイスの製造にも多大な資源とエネルギーが使われており、2019年にはこれらの電子廃棄物(E-waste)の量は世界で5,360万トンにおよび、2030年までに倍増すると予測されています(※2)。
まさに「Digital is Physical(デジタルはフィジカル)」であり、実際にはデジタルメディアの運営・閲覧は、目に見えないところで多くの環境負荷を生み出しています。ハーチでは、”Publishing a Better Future”というミッションを掲げ、社会をもっと素敵な場所にすることを目指していますが、そのための活動が目的とは反対の結果を引き起こしているとしたら、その矛盾から目を背けることはできません。
そこで、ハーチでは「ゼロカーボン」および「ゼロウェイスト」を環境における主要なサステナビリティテーマに据え、事業活動を通じた環境へのマイナス影響をゼロに、そしてプラスの影響を生み出すことで、読者の皆様に安心してコンテンツをお楽しみいただけるよう、様々な取り組みを行っています。
※1:Cornell University “The climate impact of ICT: A review of estimates, trends and regulations”
※2:Collections at UNU “The Global E-waste Monitor 2020: Quantities, flows and the circular economy potential”
ゼロカーボン
Zero Carbon
ハーチでは、2019年度よりスコープ1・2の再エネ化を実施しており、現在は事業全体のCO2排出量の削減に向けて取り組んでいます。また、ハーチの運営するメディアは、サーバーの電力使用から取材活動のための移動に伴うCO2排出量にいたるまで、運営に伴うCO2排出量をすべてカーボン・オフセットしています。
再エネ100宣言「RE Action」への参加
企業や自治体らが使用電力を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)に転換する意思と行動を示す「再エネ100宣言 RE Action」に参加しており、他の参画企業とも協働しながら再生可能エネルギーの普及に取り組んでいます。
SBTi(Science Based Targets Initiative)への参加
「SBTi(Science Based Targets initiative)」の「1.5°C」目標に参加しており、スコープ1・スコープ2における温室効果ガス排出量を2018年の基準年から2030年までに50%削減、スコープ3における排出量測定・削減にコミットしています。
スコープ1・2の削減と再エネ化
下記の取り組みにより、2019年度よりスコープ1(事業活動に伴う直接排出量)およびスコープ2(事業活動で使用した熱・エネルギーの製造段階における間接排出量)の削減と再エネ化を行っています。
- オフィス使用電力の削減に向けた各種節電対策
- リモートワークの推進によるオフィス使用電力の削減
- 従業員自宅の再エネを推進する「再エネ手当(2,000円/月)」
- 再エネ系クレジットによる再エネ化
スコープ3に対する自主的な取り組み
スコープ3(自社の直接排出量以外の原材料調達・物流・製品利用・廃棄過程などから出る温室効果ガス排出量)の排出削減に向けて、下記のような様々な取り組みを行っています。
- 取材活動に伴う飛行機移動の全量カーボン・オフセット
- メディア運営に伴うCO2排出量の植林によるカーボン・オフセット
- サーキュラー調達の実践
- 廃棄物削減に向けたゼロウェイストチャレンジ
このテーマの指標
このテーマの指標
2020年 | 2021年 | |
電気使用量 | ●●kW | ○○kW |
再エネ比率 | ●● | ○○ |
GHG排出量 | ●● | ○○ |
各メディアのカーボン排出量 | ●● | ○○ |
ゼロウェイスト
Zero Waste
ハーチでは、事業運営におけるゼロウェイストを目指して様々な独自の取り組みを行っています。
ゼロウェイスト・チャレンジ
オフィスから出る廃棄物の削減に向け、「可燃ごみゼロ」を目指すゼロウェイスト・チャレンジを展開しています。ゼロウェイストの実現に向けた社内ワークショップなども実施しています。
有機ゴミの堆肥化とCSAへの参画
株式会社4Natureとの連携により、CSA(Community Supported Agriculture)に参画し、オフィスおよび社員の自宅から出る有機ゴミをコンポストし、堆肥として活用するプロジェクトに取り組んでいます。