ソルボンヌ大学アブダビ校など、UAE近海の水中映像から魚種を見分けるAIを開発。成果は初期の概念実証

ソルボンヌ大学アブダビ校は11月4日、ペルシャ湾(アラビア湾)南部で撮った水中映像から魚を自動で検出し、種を識別するAIシステムを開発したと発表した。環境NGOのEmirates Nature-WWFとシャルジャ・アメリカン大学が協力した。発表によると、このシステムは長時間の映像を人の手で分析する時間を減らせるため、海の生物多様性モニタリングの大きなボトルネックへの対応を助ける。
この海域は水深が浅くて塩分が高く、沿岸開発や海運などの影響も受ける。効果的な保全や管理には、どの種がいて数がどう変わるかなどを知ることが重要だ。魚の調査に使う道具の1つがBRUVSで、餌を付けた水中カメラを海底に置く。この方法なら魚を捕らえずに多くの地点を調べられる。
研究チームはアラブ首長国連邦の沿岸と沖合の島々で集めた映像を使い、水の濁りや魚の一部が隠れた場面などの難しい条件でも魚を認識するための画像処理を開発した。ソルボンヌ大学アブダビ校がAIと画像処理の開発を主導する。
ソルボンヌ大学アブダビ校の博士研究員が、会議「OCEANS 2026 Monterey」で成果を報告した。最初の研究は、生態と漁業の面で意義のある5種に絞った。同大は、AIモデルが学習に使っていない試験データの魚の大半を安定して検出し正しく識別したと説明するが、精度の数字は発表文にない。
成果の論文はIEEE Xploreに掲載される予定だ。プロジェクトは5種の研究に続き、10種を収めた初期の検証済みデータセットの段階まで進んだ。
同大は今回の結果を初期の概念実証と位置づける。大きな規模のモニタリングに使う前に、種や場所、季節などの条件を広げた試験を予定している。今後は検出に追跡や数の把握を組み合わせるほか、将来は水中ロボットで動かせる可能性のある軽量版も探る。
Emirates Nature-WWFの海洋保全・生物多様性責任者でプロジェクトを発案したダニエル・マテオス=モリナ氏は、現地の観察とAIを組み合わせれば、観察結果を使える根拠に変える速さと規模を大幅に高められる可能性があると述べた。









