カーネギー研究所など、世界で把握されたデータセンター9,347カ所の4分の1が年1カ月以上の水不足の地域にあると分析

米カーネギー研究所などの研究チームは9月24日、世界で稼働が把握されているデータセンター9,347カ所の立地を各地の水の需給と重ねた分析を学術誌で発表した。2001〜2010年の水の需給では、25%にあたる2,315カ所が、農業や都市など既存の部門の水の消費量が供給を上回る月が年に1カ月以上ある地域に立つ。
2001〜2010年の需給に照らすと、年5カ月以上水が足りない地域に全施設の約15%、9カ月以上の地域に約6%が立つ。対象はAI向けに限らず、データセンター全般だ。
国別では、最多の米国が3,619カ所で世界の39%を占め、その21%が年1カ月以上の水不足の地域にある。日本は大半のデータセンターが当てはまり、17%は水不足の月が最大で年9〜12カ月に及ぶ。
著者によると、データセンターとほかの主な水の利用者が同じ地域にあることは水をめぐる直接の競合を意味するとは限らず、競合の可能性は水不足の大きい場所で高まる。
世界の平均気温が産業革命前より3℃上がった場合の試算では、水不足の地域に入るデータセンターは2,315カ所から730カ所増え、調べた施設の33%にあたる3,045カ所になる。試算は高排出シナリオに基づく5つの気候モデルの平均で、3℃を超える確率が5割に達する年はモデルにより2039〜2068年と幅がある。
研究は施設ごとの水の消費量を推計していない。他の流域からの導水や淡水化などを織り込んでいないため、著者は水不足の推計を上限と位置づける。著者は同時に、制度やデータの制約から世界規模の評価では、水不足にすでにさらされている度合いと経済的・政治的に立場の弱い下流の利用者に及ぶ影響がともに低く見積もられている可能性が高いとも記す。
論文によると、年1カ月以上の水不足でデータセンターが恒久的に止まることはまれだが運用の柔軟性を狭めるおそれがあり、主なリスクは同じ流域のほかの利用者にある可能性がある。水不足がデータセンターの運営やほかの水の利用者にどの程度影響するかは、今後の研究の課題とした。
著者の2人は11月4日、世界経済フォーラムのサイトへの寄稿で、世界全体ではデータセンターの水消費の割合はまだ小さいが、水不足は地域の問題だと説明した。主な対策として水の豊富な流域への立地や下水の再利用など4つを挙げ、どれも負荷を別の場所へ移しがちだと指摘した。
【関連サイト】American Chemical Society「Many Data Centers Are Located Where Water Resources Are Limited」









