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データマネジメント試験(仮称)とは・意味、出題形式・シラバス案・似た試験との違い

最終確認日:2026年10月26日

データマネジメント試験(仮称)とは?

データマネジメント試験(仮称)とは、情報処理推進機構(IPA)が2027年度に始める予定の、情報処理技術者試験の新しい試験区分のこと。この試験は、主にビジネス部門の人を想定し、AIの活用で求められるデータの整備・管理のスキルを習得・評価するために設けられる予定だ(※1)。

IPAは、幅広い社会人が受けることを想定し、この試験をITパスポート試験の次のステップと位置づけている(※1)。IPAの資料では、英語の表記を Data Management Examination、略称を DM としている(※5)。

データマネジメント試験(仮称)の出題形式

データマネジメント試験(仮称)は、コンピューターで解答するCBT方式で行われる予定だ。知識を問う科目Aが48問、技能を問う科目Bが12問で、試験時間は2つの科目を合わせて120分とされている(※1)。シラバスは、求められる知識と技能の範囲と深さを、試験の区分ごとに整理して示す資料だ(※4)。シラバス案は、科目Aの出題範囲を「目標とする知識」、科目Bの出題範囲を「目標とする技能」として示している(※2)。

データマネジメント試験(仮称)と似た試験との違い

IPAは、新しい制度の試験ごとに、何を評価するかを説明している(※1、※5)。

試験 評価する内容 新しい制度での扱い
ITパスポート試験 仕事で必要なデジタルの基礎知識と、デジタル技術による変革を自分のこととして捉えて行動する姿勢 出題分野を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に整理し直す
データマネジメント試験(仮称) データやAIをうまく使うための、データの管理の基本的な知識と技能 新設。ITパスポート試験の次のステップ
プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称) 組織やビジネスの、データに基づく活動を支える基盤を作り、データを整える専門的な知識と技能 今の応用情報技術者試験と、専門分野ごとの上位の試験である高度試験を組み直して新設する区分の一つ

※2026年10月時点。IPAは、データマネジメント試験(仮称)をITパスポート試験の次のステップと位置づけているが、3つの試験の難しさの違いは示していない(※1、※5)。

データマネジメント試験(仮称)が設けられる経緯

データマネジメント試験(仮称)は、情報処理技術者試験の見直しの中で新しく設けられる予定だ。経済産業省とIPAは、2025年5月に公表された「Society 5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会 報告書」を踏まえて、試験区分の見直しを検討してきた(※1)。

IPAは、今の試験制度を2026年度の試験で終え、2027年度から新しい制度に移す予定としている。新しい制度への移行に合わせて、今ある試験も区分の再編や出題範囲の見直しを受ける予定だ(※1)。

情報処理技術者試験の見直しで試験はどう変わるか情報処理推進機構の検討状況(2026年3月31日公開、4月28日更新)
今の試験2027年度からの試験
応用情報技術者試験と高度試験
→
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)マネジメント、データ・AI、システムの3区分。2027年度の夏ごろから秋ごろの予定
ITパスポート試験
→
ITパスポート試験内容を変える。2027年度の春ごろからの予定
情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験
→
2つの試験を続ける出題範囲の体系などを一部変える。2027年度の春ごろからの予定
(今の試験にない)
→
新設データマネジメント試験(仮称)ITパスポート試験の次のステップ。2027年度の夏ごろから秋ごろの予定
情報処理安全確保支援士試験は続け、科目Aの出題範囲の体系(表記の見直しで、問う範囲は変えない)、科目Bの出題範囲の一部と出題形式、試験時間を変える。新しい制度での実施は2027年度の夏ごろから秋ごろの予定。
出典:情報処理推進機構「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開、4月28日更新)

データマネジメント試験(仮称)に関する主な出来事・ニュース

データマネジメント試験(仮称)のシラバス案

シラバス案の知識の重点分野は「データ・AIの利活用」の3中分類

シラバス案は知識の重点分野として、全区分に共通する分類「データ・AIの利活用」の中から、データマネジメント、データ分析・データ利活用、AI利活用の3つの中分類を挙げている(※2)。

データマネジメントの中分類では、データの扱いの方針や決まりを定めて守らせるデータガバナンスや、データを生成してから廃棄するまでのデータライフサイクル、データの意味や作られた経緯などを示すメタデータの管理などを扱う。

データの管理がうまくいかないときに起きるリスクの例には、データの品質の低下や「データスワンプ」が挙がっている(※2)。データスワンプとは一般に、管理されないまま集まって使いにくくなったデータのこと。

シラバス案は、AI利活用の中分類で生成AIの用語の例を挙げる。例は、RAG(外部の文書を検索し、その内容をもとにAIに答えさせる仕組み)による知識の連携、AIへの指示の書き方を工夫するプロンプトエンジニアリング、システムプロンプト(AIの役割や振る舞いをあらかじめ指定しておく指示)などだ。

AIエージェントの項目には、「自律性と人間の関与(最終承認,例外処理など)」や、安全や倫理、法令順守などの面でAIの動きに歯止めをかけるガードレール、ハーネスエンジニアリングが並ぶ(※2)。ハーネスエンジニアリングは一般に、AIモデルの周りで道具の呼び出しや記憶などを受け持つ仕組みを設計する技術を指す。

シラバス案の技能はデータの適切な取扱いや意思決定への活用など

技能は、「データの適切な取扱いに関すること」「データ活用による意思決定,検証と改善に関すること」「データ活用の組織文化の醸成に関すること」などの大項目に分かれる(※2)。

「データの適切な取扱いに関すること」の大項目には、「AI活用におけるデータ利用上の留意事項への対応」という小項目がある。ここには、次のようなスキルが例に挙がっている(※2)。

  • 機密情報や個人に関する情報などをプロンプトに入れて漏らさないよう、AIの使い方について組織が定めたガイドラインを守る。
  • 著作権や知的財産権の留意事項を確かめる。
  • プライバシーへの配慮に関する組織のルールを守る。

「データ活用による意思決定,検証と改善に関すること」の大項目には、AIによる分析の結果を意思決定に生かすため、必要に応じてデータを管理する部署などの力を借りて結果が妥当かを確かめるスキルが入っている(※2)。

データマネジメント試験(仮称)の受験の条件と未確定の点

データマネジメント試験(仮称)は、ITパスポート試験の次に学ぶ目標の一つになりうる。ただし、IPAの発表には、ITパスポート試験の合格を受験の条件とする記載はない(※1)。

試験の名称は、まだ仮称だ。IPAは、シラバス案の内容も変わる可能性があるとしている(※2)。サンプル問題も、出題の分野や形式のイメージを示すためのもので、実際の試験と同じ作成・チェックの過程は経ていないという(※3)。受験を考える人は、IPAの最新の発表を確かめる必要がある。

データマネジメント試験(仮称)に関連する用語

データマネジメント試験(仮称)に関する出典

※1 情報処理推進機構「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開、4月28日更新)
※2 情報処理推進機構「データマネジメント試験(仮称)シラバス(案)Ver.0.1」(2026年8月31日掲載)
※3 情報処理推進機構「新試験制度のサンプル問題について」(2026年6月22日公開、8月31日更新)
※4 情報処理推進機構「新試験制度のシラバス案について」(2026年6月30日公開、9月30日更新)
※5 情報処理推進機構「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 出題範囲等の改定案(Ver.1.0)」

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