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生成AIの資格を取るならどれが良い?生成AIパスポート・G検定・E資格の違いと取り方、おすすめの学習方法も

メールの下書きも会議メモの整理も、生成AIに頼むようになった。ただ、生成AIの使い方は同僚のまねや自己流で覚えたもので、AIがなぜそう答えるのか、どこにリスクがあるのかまではうまく説明できない。自分の使い方には何が足りないのかと感じたことはないだろうか。

生成AIに関わる資格として、生成AIパスポート・G検定・E資格などがあるが、「どれが自分に合うのか迷っている」という方に向けて、3つの資格を詳しく紹介していきたい。

生成AIパスポート・G検定・E資格で学べることの違いは?

生成AIパスポートを実施するのは生成AI活用普及協会で、試験では生成AIの基礎と仕事での使い方のほか、情報漏えいや権利侵害といったリスクも扱う。2027年2月の試験から出題範囲が大きく変わる。新しい出題範囲では、AIエージェントが独立した章になり、シャドーAIや組織のAIガバナンスを整える観点なども加わる。

G検定は日本ディープラーニング協会の検定で、ディープラーニングの基礎知識をもとに、AIを事業にどう活かすかを決める力を問う。G検定の出題は、機械学習とディープラーニングの仕組みや画像認識などの応用例を問う技術の分野と、個人情報保護法や著作権法、AIガバナンスを問う法律・倫理の分野に分かれる。

日本ディープラーニング協会は、E資格を「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する」試験としている。E資格の出題範囲は確率・統計などの数学的基礎から、Transformerなどのディープラーニングの手法、開発・運用環境までに及び、Pythonで書かれたコードを読む問題も出る。

生成AIパスポートは安全に使うための知識を、G検定は仕事に活かすためのAI全般の考え方を、E資格はAIを作る理論と実装を扱う。E資格の受験にG検定の合格は要らず、生成AIパスポートから順に受ける必要もない。

生成AIの資格は、仕事で何をしたいかで選ぶ

仕事の目的や学びたいことに応じて、生成AIパスポート・G検定・E資格のうち合うものと、その理由を挙げる。

目的・学びたいこと 合う資格 理由
生成AIを仕事で安全に使う知識を、まず一通り身につけたい 生成AIパスポート 範囲が生成AIの基礎と使い方、リスクを中心にしている。試験はオンラインで受けられ、60分で終わる
AI全般の仕組みと活用を体系的に学び、企画やDXの仕事で活かしたい G検定 AIの基礎から法律・倫理までを広く扱う。合格した人は、デジタルバッジ「DX推進パスポート」も発行できる。合格者には営業・販売の人も多く、企画の人もいる
AIを自分で作り、実装する仕事に進みたい E資格 ディープラーニングの理論と実装を扱い、Pythonのコードを読む問題も出る。合格者は情報システムと研究開発の人が多い

2026年9月のG検定で合格した11,475名を職種で見ると、最も多いのは情報システム・システム企画の23.60%で、営業・販売が15.99%、研究・開発が13.80%、企画・調査・マーケティングが7.95%だった。2026年8月のE資格では、合格した712名のうち情報システム・システム企画が32.02%、研究・開発が28.37%で、営業・販売は10名、1.40%だった。

G検定とE資格の合格者の職種それぞれの試験の合格者に占める割合。2つの試験は時期も合格者の数も違う
G検定
2026年9月の試験、合格者11,475名
情報システム・システム企画23.60%
研究・開発13.80%
営業・販売15.99%
企画・調査・マーケティング7.95%
E資格
2026年8月の試験、合格者712名
情報システム・システム企画32.02%
研究・開発28.37%
営業・販売1.40%
G検定は4つ、E資格は3つの職種を示す(E資格の企画・調査・マーケティングは示していない)。どちらも、ほかに学生やその他などの区分がある。
出典:日本ディープラーニング協会「「2026年 第5回 G検定(ジェネラリスト検定)」オンライン試験/会場試験の開催結果を発表(14,908名が受験し、11,475名が合格)」(2026年9月24日)
日本ディープラーニング協会「「2026年 第2回 E資格(エンジニア資格)」結果発表・2027年開催スケジュールのお知らせ」(2026年9月18日)

3つの資格の受験料と次の試験日は?

項目 生成AIパスポート G検定 E資格
受け方 オンライン(パソコン・スマートフォン・タブレット。推奨環境はWindowsかMacのパソコン) オンライン(WindowsかMacのパソコンを推奨)。会場試験も年3回ある(次は2027年1月15〜17日) 指定の試験会場
時間・問題数 60分・60問 オンラインは100分・145問程度 120分・100問程度
受験料(税込) 11,000円 13,200円 33,000円。別に認定講座の受講料がかかり、教育訓練給付制度の対象の講座もある
回数 年5回。2・4・6・8・10月の各1か月が受験期間 2027年もオンラインは年6回 年2回
次に申し込める試験 2027年2月(申し込みは2027年1月31日まで)。新しい出題範囲の試験になる オンラインは2026年11月6日・7日(個人の申し込みは2026年10月29日まで)、その次は2027年1月16日 2027年2月19〜21日(申し込みは2026年12月1日から)
受験の条件 なし なし 試験日の前2年以内に認定講座を修了していること
直近の合格率 81.21%(2026年8月) 76.97%(2026年9月。オンライン試験は79.93%、会場試験は62.56%) 67.04%(2026年8月)
返金・再受験 決済後のキャンセル・返金は原則なし オンライン試験の受験チケットは返金なし。受験チケットの購入から1年間は、受験日の前々日まで日程を取り消して予約し直せる。オンライン試験を個人で申し込むと、前回の受験日から2年以内の再受験は半額 認定講座の修了から2年以内なら、講座を取り直さずに再受験できる

※2026年10月時点

試験に申し込む前に受ける月を決め、オンライン試験に使う機器が条件に合うかも確かめておきたい。

生成AIの資格は、どう勉強するとよい?

資格の勉強の進め方は、無料の公式素材で範囲をつかみ、テキストで学び、足りないところを講座で補う順がよい。G検定は、日本ディープラーニング協会が例題と過去の出題をサイトで公開している。

日本ディープラーニング協会がG検定の受験者に行ったアンケートでは、勉強にかけた時間が「30〜50時間」という人が最も多く32.2%で、「15〜30時間」が21.8%、「50〜70時間」が19.6%だった。G検定の勉強に30〜50時間かける場合、週5時間ずつなら6〜10週かかる。生成AIパスポートとE資格は、主催団体が学習時間の目安を公表していない。

G検定の受験までにかけた勉強時間G検定の受験者へのアンケート。回答者に占める割合
15〜30時間21.8%
30〜50時間32.2%
50〜70時間19.6%
回答の多かった上位3区分だけを示す。3区分の合計73.6%は編集部で計算(21.8%+32.2%+19.6%)。
出典:日本ディープラーニング協会「G検定について(試験概要・学習方法・試験対策・合格者体験談)」(2026年10月19日時点)

生成AIパスポートの対策には、LINEで解ける無料の「AIクイズ」がある。AIクイズは、公式テキストを学ばせたAIが○✕問題を作る仕組みだ。ただし、生成AI活用普及協会自身が、AIクイズには「出力される結果が正確ではない場合」があると注意書きをしている。本番の試験は4つの選択肢から選ぶ形式で、○✕問題とは形式が異なる。AIクイズは出題範囲に触れるために使い、答えは改訂に合わせた公式テキストで確かめたい。改訂版の公式テキストは、予約分が2026年11月24日から順次発送される予定だ。

E資格は認定講座の修了が受験の条件なので、どの認定講座を選ぶかで学習の計画が決まる。E資格の認定講座のうち4つを、2026年10月19日に各社の公式サイトで確かめた内容で比べた。

講座 受講料(税込) 期間・学習時間 質問・サポート 試せるもの・購入の注意
スキルアップAI 現場で使えるディープラーニング基礎講座 55,000円(質問サポートなし)、165,000円(あり) 動画講義19時間、標準学習時間 約89時間(Python・数学・機械学習の基礎が前提)。試験対策を含めると、総学習時間が150〜200時間程度の人が多い。修了期限は受講開始から9か月 質問サポートは165,000円のコースで6か月。過去の質問と回答1,000件以上は両コースで検索できる 出題範囲の一部約360分を無料で見られる
AVILEN 全人類がわかるE資格講座 149,600円。サポート2か月のスピードコースは99,000円 動画約38時間。修了期限は受講開始から6か月後(スピードコースは2か月後)の月末。前提知識や実務経験がない場合、学習時間はこの講座だけで150〜200時間、オプションの機械学習講座と合わせると300〜400時間が目安 チャットの質問とコードの添削が回数の制限なし(修了期限まで) 無料のトライアル動画とデモ問題
zero to one JDLA「E資格」向け認定プログラム 165,000円(サポートなし110,000円) 5か月(10月〜翌年2月末、または4月〜8月末)。60〜100時間程度。微分積分・確率統計・線形代数の基礎知識(大学理系合格レベル)とPythonの基礎知識が必須 メールでの質問(1日2回まで) 講座のページに無料の体験の案内はない
AIジョブカレ E資格対応パッケージプラン 229,900円 申し込みの翌月から6か月。総授業時間60.6時間 講師やメンターにチャットで質問できる 購入後の返金はない。公式ページでは、価格の下に「商品を購入できません」と出ていた(理由は書かれていない)

※2026年10月時点

E資格を受ける人は、試験を予約する時点で認定講座を修了していなければならない。認定講座には、期ごとに始まるものもある。たとえば zero to one の講座は2027年2月28日まで見られるが、2027年2月のE資格を受けるには2027年2月4日までに修了する必要がある。

スキルアップAIの無料の簡易診断テストやAVILENのスキルチェックテストで、数学とPythonの力が足りるかを確かめてから認定講座を選びたい。

資格で学んだことは、仕事の成果につなげるには?

生成AIパスポートは、一度合格すれば有効期限はない。2027年2月からは、改訂された範囲を中心に出題する更新テストが、費用6,600円(税込)で始まる。生成AIパスポートの合格者は、更新テストを受けるかどうかを自分で選べる。更新テストに合格すると、学び直したことを示すオープンバッジが発行される。

G検定に合格した人は、デジタルバッジ「DX推進パスポート」でも合格したことを示せる。DX推進パスポートは、デジタルリテラシー協議会がすべてのビジネスパーソンに推奨するITパスポート試験・G検定・データサイエンティスト検定 リテラシーレベルの3つのうち1つに合格すれば発行できる。合格した試験が2つ、3つと増えると段階が上がる。

資格の勉強で学んだことを仕事の成果につなげるには、何が要るか。パーソル総合研究所は2026年2月に公表した調査で、生成AIを使いこなす度合いを独自の10項目で測り、仕事の成果との関係を調べた。使いこなす度合いの高い人たちは低い人たちに比べ、使っている用途の幅が約2倍、減らせたと答えた時間が約2.3倍で、作業の効率や品質・創造性の成果も高かった。パーソル総合研究所は、生成AIの用途の広がりが成果の向上と結びついていると示唆している。一方、調査では、生成AIの利用者全体で業務時間が減った人は約25%にとどまった。試験で学ぶ生成AIの使い方やリスクの知識を活かす仕事を、受験する前に1つ決め、生成AIを使う場面を広げていきたい。

どの資格を受けるにしても、出題範囲を、これから体系的に学ぶ内容の一覧として読むとよい。出題範囲の項目のうち、今の自分の生成AIの使い方では説明できないものに印を付け、そこから学び始めてほしい。

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