社会人の効率的な生成AIの学習方法は?学習方法の比較と、講座で学べるプログラム例

メールの下書きも調べものも、生成AIに頼むようになった。それでも、頼み方は少し前とあまり変わっておらず、同じような使い方を繰り返している。同じ部署の上司や同僚は、どうやらもっとうまく活用できているらしい――。生成AIについてきちんと学んで活用したたいものの、何をどう学べば効率がよいのか悩んでいる、ということはないだろうか。
この記事では、企業での生成AI活用事例を紹介した上で、生成AIに関する研修や生成AIの使い方の違いを調べた調査、無料で学べる教材、質問や添削を受けられる生成AI講座などを紹介する。
仕事で生成AIを使いこなす人は、何をAIに任せている?
以下では、企業での生成AI活用事例やどのような仕事をAIに任せているかを挙げる。活用事例ごとに、実際の仕事で活用する場合のイメージも記載した。
| 生成AIの使い方 | 活用事例 | 実際の仕事での活用イメージ |
|---|---|---|
| 業界・職種の業務に組み込む | パナソニック コネクトは、設計図面と仕様書の照合にAIエージェントを使い始め、担当者が確かめる形で、目視で50〜340分かかっていた作業を10分にした(自社発表)。JCB は Microsoft 365 Copilot を議事録などに使い、上位5つの用途で1人あたり月約6時間を減らせたと見積もった(利用者への調査。提供会社の事例)。郡山市は全職員が使える生成AIで、2025年度に約12,800時間の業務を減らした(市の発表) | 契約書と請求書などの突き合わせをAIに先にさせ、食い違いだけを自分で確かめる |
| 複数のAIに役割を分けて任せる | Anthropic の日本チームの営業担当は、問い合わせの振り分け、返信の下書き、顧客記録の更新などを、1つずつ別のAIエージェントに受け持たせた。営業担当本人によると、AIがこなした作業を、手作業ならかかる時間で数えると、週ごとの記録で約60時間分になるとしている | 調べる役、下書きする役、確かめる役を分けてAIに頼み、自分はアウトプットの確認と送信を行う |
| 決まった時刻に自動で動かす | ChatGPT のスケジュール済みタスク、Gemini の予約アクション、Microsoft 365 Copilot のスケジュールされたプロンプト、Claude の定期実行のタスクでは、決めた時刻に合わせてAIが作業し、結果を届ける。ChatGPT は無料プランでも、タスクを3件まで有効にしておける(実行は1件ごとに1日1回まで。届く時刻は朝・午後・夜といった幅で決まり、時刻の指定は有料プラン)。Gemini の予約アクションは段階的に提供中で、届ける内容を前もって作るため、変動の大きい情報は届いた時点で最新でない場合がある。Copilot は専用のライセンス、Claude は有料プランが要る | 毎朝8時に業界ニュースの要点を、夕方にはその日参加した会議の決定事項とやることの一覧を、AIに届けさせる |
| ノーコードで業務のツールを作る | MIXI では社員がカスタムGPTを1,800個以上作り、法務の利用規約の確認にかかる時間は30分〜1時間から約10分になった(自社発表)。船井総研グループでは、エンジニアではないコンサルタントが仕様を文章で書いて Gemini にコードを作らせ、工場の作業時間を記録するアプリを作った。アプリを作ったコンサルタントが担当する顧客の8割が、そのアプリを使っている(提供会社の事例)。京進は Dify で、面談の録音から記録を作るアプリと社内FAQボットを作り、Dify による業務の削減効果を年約5,600時間と試算した(自社発表) | 毎回同じ観点で見る書類の点検手順や、部署によくある質問への答え方を、自分専用のAIにしておく |
OpenAI と全社員向けの研修などを行った MIXI では、エンジニアに頼んでいたツールを社員が自分で作ることが増えた。Anthropic の日本チームの営業担当も、1つの仕事を1つの手順書にして定期実行に載せるところから始めた。AIエージェントの下書きを直した内容を、すべてのAIエージェントが読める場所に保存することを数百回繰り返して、下書きを自分の文章らしくしたという。
生成AIの研修で、生成AIを使いこなす力に差は出る?
パーソル総合研究所は2025年10月に正規雇用者3,000人に尋ね、生成AIを使いこなす度合いを独自の項目で測ったところ、度合いの高い人は低い人に比べ、使う用途の幅が約2倍、削減できた時間が約2.3倍だった。ただし、業務時間そのものが減った人は、調査に答えた生成AIの利用者の約4人に1人だった。
リクルートワークス研究所のある分析では、仕事で生成AIを毎日使う人は2025年末時点で就業者の8.9%にとどまり、過去に自己啓発をした人は、そうでない人より毎日使う確率が約9.3ポイント高かった。
生成AIの研修で何が伸びるのかを、参加者を無作為に分けて確かめた試験もある。世界銀行がペルーのリマの公立校で6年生を受け持つ教員1,269人で行った査読前の試験では、1日の研修とAIのライセンス、8か月の軽いフォローを受けた教員は、仕事の時間は減らなかったが、プロンプトの質は上がり、出来の悪いAIの出力を見抜く力も上がった。年長の教員ほど研修による伸びが大きかった。
以下では、生成AIの研修や使い方、経験の長さと結果の関係を調べたほかの調査や試験を、学び方・使い方ごとに挙げる。
| 生成AIの学び方・使い方 | 調査・試験の結果 | 調査主体・調査対象 |
|---|---|---|
| 研修を受ける | 生成AIの研修を受けた人は週11時間、受けていない人は週5時間を節約していた | ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)と Protiviti による世界の約3,000人の調査 |
| 答えではなくヒントや説明を求める | 分数の問題で、AIを使わなかった時の正答率は、AIから答えを直接もらったと答えた人が平均65%、AIからヒントや説明をもらったと答えた人が76% | Liu ほかによる、米国のオンライン参加者585人の約15分の実験で、GPT-5 を使えたのは308人。使い方は本人の申告で、使い方による差は因果を示していない |
| AIとやり取りを重ねる | AIとの直しを重ねる会話では、重ねない会話に比べ、AIの理由づけを問う、足りない情報に気づくといった、ほかの上手な使い方が平均で約2倍見られた | Anthropic による Claude.ai の会話9,830件の分析 |
| まず実務経験がある分野で学んでみる | 3か月AIを使った特許弁護士のうち、AIなしの課題で、使わなかった人を上回ったのは経験7年以上の人だけ。経験7年未満の人は、AIを使わなかった人と平均では差がなく、点の良い人と悪い人に分かれた | Google が自社の未公開のAIで行い、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者も加わった米国の133人の試験 |
仕事でAIを使うときは、仕事を進めるうえでの説明やヒントを求め、AIとのやり取りを重ね、アウトプットの品質や出典を確かめる使い方を心がけたい。経験の浅い分野では、AIの出力の良し悪しを自分で見分けられるだけの基礎を、AIに任せる前に教材や講座で押さえておきたい。
OpenAIやマナビDXなど、無料で学べる生成AIの教材
生成AIの提供会社は無料の教材や無料で試せる教材を公開しており、国のサイトにも無料の講座が公開されている。学べる内容から使い分けたい。
| 教材 | 学習時間の目安 | 学べること | 費用・修了の証明 |
|---|---|---|---|
| OpenAI Academy の仕事向けの3講座「AI Foundations」「Applied AI Foundations」「Agents and Workflows」 | 1講座60〜90分 | 頼み方と出力の見直し、作業の手順化、エージェントに任せる範囲と確認する点 | 無料。テストで80%以上ならバッジ。OpenAI は資格ではないと明記している |
| Anthropic Academy「AI Fluency: Framework & Foundations」 | 記載なし | AIに委ねる、伝える、見極める、責任を持つという4つの力 | 無料。最終テストのあと修了証 |
| Google AI Essentials | 10時間以内 | プロンプトの書き方、責任あるAIの使い方、仕事に合うツールの選び方 | 7日間の無料体験のあと月49米ドル。Google が主幹事を務める日本リスキリングコンソーシアムが、受講料が無料になるアカウントを配る(先着・数量限定)。修了で認定証 |
| マナビDX に載る CARTA ZERO の講座「実務で使えるAI活用術を学べるeラーニング」 | 31講座・4時間17分 | AIを使うときのリスクとセキュリティ、ChatGPT・Gemini・Copilot などの使い方 | 無料 |
※2026年10月時点
生成AI講座では、どんなフィードバックを受けられる?
自分の業務を題材にAIでツールを作るところまで進みたい、作ったものに意見をもらいたい、質問したいときは、講座が選択肢になる。編集部が集めた生成AI講座から、業務に組み込む、複数のAIに役割を分けて任せる、決まった時刻に自動で動かす、ノーコードでツールを作るという4つの使い方のどれかを学べるプログラムを持つものを選んだ。講座の料金は税込で、2026年10月19日に公式ページで確かめた額だ。
| 講座 | プログラムの流れ | 具体的に学べること | 質問・添削の受け方 | 期間・料金 | 無料の入口 |
|---|---|---|---|---|---|
| クラウドワークス アカデミー 生成AI入門講座 | 1週目に生成AIの仕組みと注意点、2週目にプロンプトの要素と出力形式、AIとの対話での直し方、3週目に社内マニュアルなどを参照させるカスタムAI(Gemsなど)を設計 | ノーコードでツールを作る | 提出した課題にメンターからフィードバックをもらえる。期間中は24時間質問できる | 3週間(12月期は2026年12月1〜21日、申込は2026年11月26日まで)、39,600円 | 30分の無料個別相談 |
| DMM 生成AI CAMP「Claude Coworkマスターコース」 | 基本操作とセキュリティ、作業手順を型にするスキルと業務専用のプロジェクト、日報・経費精算・レポートの自動化、予約実行とSlack連携 | 決まった時刻に自動で動かす | AIチューター(24時間)とメンターへの相談。学び放題の会員は、Claude Code などのテーマ別に講師が公開で添削するライブゼミにも参加できる(月額プランでは、同時に参加できるゼミは1つ) | 全34本・1本約6分、学び放題で月16,280円(Claude の Pro プラン以上が別に要る) | 60分の無料セミナー |
| ヒューマンアカデミー 生成AI・ノーコード講座 | 1か月目にAI基礎とプロンプトの型、2か月目にAIツールでの業務効率化、3か月目に職種別の活用とノーコードの基礎、4か月目に Dify による自動化 | 業務に組み込む、ノーコードでツールを作る | カウンセラーに相談できる。Ledge.ai を運営するレッジが月1回開催するライブのフォローアップウェビナーで質問できる | 4〜6か月、390,940円(入学金などを含む) | 無料個別説明会 |
| AI Agent Camp | 全47モジュール。AIの基礎から、データ分析やメールの自動化、AIエージェントの開発まで | 業務に組み込む(業務専用のAIエージェントを作る) | 質問にはAIチューターが24時間答える | 修了の目安50〜60時間、月12,800円(Claude Code などの利用料は別) | 公式ページに案内なし |
※2026年10月時点
まずは無料の教材でAIへの頼み方や出力の見直し方を押さえ、決まった時刻に自動で動かせるかを試すなど、学んだことの実践をしてみると良いだろう。有料講座に進む前には、各プログラムに添削や質問に機会があるかを、無料相談やセミナーで確かめたい。
【関連サイト】
– クラウドワークス アカデミー 生成AI入門講座の詳細
– DMM 生成AI CAMP 学び放題の詳細
– ヒューマンアカデミー 生成AI・ノーコード講座の詳細
– AI Agent Camp の詳細
【参照元】
- パナソニック コネクト「パナソニック コネクト、図面/設計仕様の照合業務で独自開発のManufacturing AIエージェントの利用を開始」(2026年2月19日)
- Microsoft「JCB boosts work efficiency with adoption of Microsoft 365 Copilot」(2025年11月6日)
- 郡山市「庁内活用をさらに拡大・深化 実践的な生成AI活用研修を開催」(2026年7月14日)
- Anthropic「How an Anthropic Japan BDR runs his day with a fleet of Claude agents」(2026年10月16日)
- OpenAI「Scheduled tasks in ChatGPT」(2026年10月19日時点)
- Google「Gemini アプリのスケジュール」(2026年10月19日時点)
- Microsoft「よく使う Copilot プロンプトのスケジュールを設定する」(2026年10月19日時点)
- Anthropic「Schedule recurring tasks in Claude Cowork」(2026年10月19日時点)
- MIXI「MIXI Cuts Monthly Work Time by Approximately 17,600 Hours Through Company-Wide Use of ChatGPT Enterprise」(2025年8月21日)
- Google Workspace「株式会社船井総研ホールディングス(船井総研グループ)」(2025年8月)
- 京進「京進、Difyで年間約5,600時間の業務削減効果を試算 ~PoCから実運用へ、教育・介護現場の市民開発戦略を『IF Con Tokyo 2026』で講演~」(2026年10月1日)
- リクルートワークス研究所「生成AIを利用しているのは誰か(後編)」(2026年10月2日)
- パーソル総合研究所「「生成AIとはたらき方に関する実態調査」を発表 生成AIの活用で業務時間は平均16.7%削減」(2026年2月3日)
- World Bank「Reproducibility package for Not Faster, But Better: Generative AI And Teacher Skill In Peru」(2026年7月)
- Protiviti「AI Boosts Productivity by the Equivalent of One Workday Per Week, New Report Finds」(2025年10月28日)
- Liu ほか「AI Assistance Reduces Persistence and Hurts Independent Performance」arXiv:2604.04721(2026年10月13日版、COLM 2026 採択)
- Anthropic「Anthropic Education Report: The AI Fluency Index」(2026年2月23日)
- Autor ほか「Does AI Assistance Enhance or Erode Expertise? Evidence from a Three-Month Field Experiment in Patent Drafting」(2026年10月7日版)
- OpenAI「OpenAI Academy courses」(2026年10月19日時点)
- Anthropic「AI Fluency: Framework & Foundations」(2026年10月19日時点)
- Google「Google AI Essentials」(2026年10月19日時点)
- 経済産業省・IPA「【無料】実務で使えるAI活用術を学べるeラーニング」(2026年10月19日時点)
- クラウドワークス アカデミー「生成AI入門講座」「無料個別相談会」(2026年10月19日時点)
- DMM 生成AI CAMP「Claude Coworkマスターコース」「DMM 生成AI CAMP」(2026年10月19日時点)
- ヒューマンアカデミー「生成AI・ノーコード講座」(2026年10月19日時点)
- AI Agent Camp「AI Agent Camp」(2026年10月19日時点)




