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AI Exposure(AIエクスポージャー)とは・意味、由来・測り方の違い・調査

最終確認日:2026年10月31日

AI Exposure(AIエクスポージャー)とは?

AI Exposure(AIエクスポージャー)とは、ある職業の作業のうち、AIがこなせる、または手助けできる部分がどれくらいあるかを示す指標のこと。Pew Research Center は、特定の職業に必要な作業をAIがどれだけ行え、手助けできるかを測るものと説明している(※1)。

米国労働統計局(BLS)によると、研究者は職業への影響をさまざまな方法で測ろうとしており、職業ごとに点数を付ける方法もその中に入る。BLS は、exposure が失業、生産性の向上、自動化の確率、賃金への影響を意味するものではないとしている(※2)。

日本語の「AIエクスポージャー」は、職業の指標とは別の意味でも使われる。Tenable は、サイバーセキュリティの製品の名前と説明にこの語を使う(※16)。Bloomberg のブログで Mike Pruzinsky 氏が扱うのは、投資の指数での企業とAIの関わりだ(※17)。この記事では、職業の指標としての意味を取り上げる。

AI Exposure の由来と広まった経緯

職業ごとにAIへの exposure を測る研究の先行例に、Edward Felten 氏らの「AI occupational exposure(AIOE)」がある。2021年に学術誌に載った論文で、10種類のAIの応用と、仕事に必要な52の能力を結び付けた(※4、※5)。Felten 氏らによると、この指標はAIが人の仕事を置き換えるか補うかを問わずに測る(※4)。

生成AIが広がると、大規模言語モデルを対象にした測り方が出てきた。Tyna Eloundou 氏らが2023年に公開した論文は、言語モデルで作業の時間を半分以上減らせるかを作業ごとに評価した(※2、※6)。Anthropic と BLS は、この評価を自らの指標の材料の1つにしている(※2、※8)。

2025年からは、実際の利用のデータを使う研究が続いた(※7、※8)。2026年8月には、BLS が雇用の予測に合わせてAI exposure categoriesを導入した(※3)。

AI Exposure の測り方の違い

同じ exposure でも、資料によって測るものが違う。

測り方 何を見るか 例
理論上の exposure(theoretical exposure) AIの能力と職業の作業や能力の重なり。実際に使われているかは見ない Felten 氏ら、Eloundou 氏ら、Eisfeldt 氏ら(※2)
観測された exposure(observed exposure) AIとのやり取りを職業の作業に結び付けたデータ Anthropic の Claude のデータ、Microsoft の Copilot のデータ(※2、※7、※8)
本人の回答(reported exposure、anticipated exposure) 自分の作業のうちAIが単独でできる割合を、今と12か月後について尋ねた答え Anthropic の利用者調査(※9)
2つを組み合わせた区分 理論上の3資料と観測の2資料から、ほかの職業と比べた相対の位置を出す BLS(※2)

※2026年10月時点

Kiran Tomlinson 氏らの論文は、Copilot の利用のデータから測る指標を「AI applicability」と呼ぶ(※7)。BLS によると、観測の指標は、その職業の人が仕事でAIを使ったかを直接見たものではない(※2)。

AI Exposure に関する主な出来事・ニュース

AI Exposure に関する調査・研究

Anthropic は Claude の利用データの指標で失業と採用を分析

Anthropic の指標は、言語モデルで理論上速くできる作業のうち、仕事での利用が Claude のデータに十分に表れたものを数える。自動化の使い方には手助けの使い方の2倍の重みを付ける(※8)。

理論上の評価では、コンピューター・数学の職業の作業の94%に言語モデルが入り込む余地があった。Claude がカバーしていたのは、同じ分類の作業の33%だった。職業別ではプログラマーが75%で最も高く、データ入力の担当者は67%だった。一方、労働者の30%は、作業の表れる回数が基準に届かず0%だった(※8)。

失業率について Anthropic は、exposure の高い労働者で2022年後半以降に系統的な上昇は見られないとした。

同社は22〜25歳の採用も調べた。この年齢層が exposure の高い職業で新しい仕事に就く割合は、ChatGPT の公開後の平均で2022年より14%下がったという。ただし、この結果は偶然とは言い切れないぎりぎりの水準(統計的にかろうじて有意)で、同社は別の解釈もありうるとしている。採用されなかった若者が今の仕事にとどまったり、別の仕事に就いたり、学校に戻ったりした可能性があるためだ(※8)。

Anthropic の調査では、本人の答えの値が観測の exposure を上回る

Anthropic は2026年4月に Claude の利用者への調査を始めた。利用のデータと結び付けた回答は約9,700人分だ。同社は、自分の作業のうちAIが今の時点で単独でできる割合と、12か月後にこなすと見込む割合を5段階で尋ねた。回答者の6割近くは、来年について今より高い段階を選んだ。3分の1を超える人は、来年はAIが作業の大半かほぼすべてをできると見込んだ(※9)。

今についての本人の答えは、職業ごとの観測された exposure や理論上の exposure と正の相関があった。今についての答えの値は、観測された exposure を系統的に上回った。Anthropic は説明の1つとして、職業の作業をすべての人が行うわけではないことと、AIをよく使う人に回答が偏ることを挙げる。この調査は、一般の人々を代表するものではない(※9)。

BLS は831の職業を exposure の順位で4区分に分類

BLS は、理論上の3資料と観測の2資料を使い、831の職業を「低い」「中程度」「高い」「非常に高い」の4区分に分けた。資料ごとに職業の順位を出し、理論上と観測のそれぞれの中央値をもとに分類している(※2)。

Pew は480の職業に0〜3.5の exposure の点数を付けた

Pew Research Center は、米国労働省の職業データベース O*NET をもとに、480の職業に点数を付けた。生成AIが行える、または手助けできる作業の割合を、作業の重要さも考えて0〜3.5で示す(※1)。

職業ごとのAI Exposureの点数の例米国の480の職業から Pew Research Center が選んだ15職業。点数は0〜3.5
財務の管理職3.20
ソフトウェア開発者3.10
会計士・監査人3.09
校正者2.36
旅行代理店の担当者2.31
裁判所・自治体・免許の事務員2.14
聴覚の専門職1.66
銀行の窓口係1.64
医療助手1.54
訪問介護員1.14
小売の販売員1.11
大工0.80
建設作業員0.70
家事・客室の清掃員0.59
配送の運転手・トラック運転手0.49
点数の0は、AIでできる作業がないことではなく、調べた職業の中で最も低いことを指す。
15職業は、規模、なじみやすさ、点数のばらつきをもとに Pew Research Center が選んだ。
出典:Nicole Smith「Men Are Experiencing More Job Growth Than Women in AI-Exposed Occupations」(2026年10月22日、Pew Research Center)

同センターは、2017〜19年から2023年1月〜2026年6月にかけての雇用の伸びを、同じ職業の中で男女に分けて比べた。点数が1上がるごとに男性の雇用は6.3%伸び、女性の雇用はほとんど変わらなかった(0.2%)。同センターは、この関係が直接のものとは限らず、同じ時期のほかの変化も影響した可能性があるとしている(※1)。

Indeed の分析では、exposure の高い職業で提示給与の伸びが大きい

Indeed Hiring Lab は、生成AIで変わりうるスキルの割合を点数にし、給与を示した米国の求人を分けた。職業を点数で3等分して比べると、2021年以降の提示給与の伸びは、最も exposure の高い群で約46%、最も低い群で25%だった(※10)。

提示給与の伸びの一部は、上級向けの求人が増えたことの表れだ。最も exposure の高い群の求人では、2021年から2026年に初級の割合が29%から10%に下がった。

上級の割合は同じ期間に22%から47%に上がった。exposure の低い職業などと比べた ChatGPT の公開後の上乗せは、職業の構成をそろえると5.7%だった。同じ職業の中で初級・中級・上級の構成もそろえると2.4%で、こちらは5%の水準で有意ではなかった(※10)。

IMF の論文では、exposure の高い職業の求人が相対的に1割近く減った

Sakai Ando 氏らは IMF のワーキングペーパーで、110の国・地域の7億件を超えるオンライン求人を分析した。ChatGPT の公開後、exposure の高い職業の求人は、低い職業と比べて1割近く減った。ただし、AIの能力が上がってもこの影響は広がらず、落ち着いたという。ワーキングペーパーは研究の途中の成果で、見解は著者のものとされている(※11)。

ILO の論文では、世界の労働者の4人に1人に何らかの exposure

ILO のワーキングペーパーで Pawel Gmyrek 氏らが示した2025年の推計によると、世界の労働者の4人に1人は、生成AIへの何らかの exposure がある職業に就いている。最も高い区分に入るのは世界の雇用の3.3%だった。

何らかの exposure がある職業が雇用全体に占める割合は、低所得国の11%に対し、高所得国では34%だった。著者らは、多くの職業には人の関与が要る作業があるため、最も起こりやすい影響は仕事の変化だとみている(※12)。

AI Exposure の数字を読むときの注意

BLS は、自らの区分について次のような注意を挙げている(※2)。

  • 区分は雇用の増減の予測ではなく、賃金の予測や労働者の置き換えの推計でもない。
  • 「高い」「非常に高い」でも雇用が減るとは限らない。「低い」でも、AIの影響を受けないとは限らない。
  • 区分はほかの職業と比べた相対の位置で、絶対の高さを示すものではない。
  • 理論上の資料が前提にするAIの能力は、遅くとも2023年半ばまでのものだ。観測の資料は、早くAIを取り入れた人に偏っている可能性がある。

点数の意味も資料ごとに違う。Pew の点数の0は、exposure がないことではなく、調べた職業の中で最も低いことを指す(※1)。Pew は雇用の人数、Indeed は提示給与、Ando 氏らは求人の数を見ており、対象の国や期間も異なる(※1、※10、※11)。そのため数字は、調べ方と一緒に読む必要がある。

exposure の点数の扱い方にも、企業や研究者から注意が出ている。OpenAI は、人が責任を持つ必要のある仕事などを挙げ、技術面の exposure を仕事の置き換えの予測として扱わない枠組みを示した(※14)。Campbell Lund 氏らは論文の公開サイト arXiv で、Eloundou 氏らの2023年の点数が広く使われる中で、作った人が述べた限界が一緒に伝わるとは限らないと指摘している(※13)。

ここで挙げた資料の多くは、米国の職業のデータや特定のAIの利用のデータに基づく。日本については、東京大学の松尾・岩澤研究室、PKSHA Technology、Anthropic が2026年6月に「Japan AI Index」(発表の時点の仮称)の構築に向けた協業を発表した。この発表では、最初のレポートとダッシュボードを2026年度の秋をめどに公開するとしていた(※15)。

自分の職業を調べるときは、どの国の職業の分類で、いつのAIを対象にした数字なのかを確かめると良いだろう。誰がどの作業を受け持つかが変わる動きを捉える語には、タスククロスオーバーがある。

AI Exposure に関連する用語

AI Exposure に関する出典

※1 Nicole Smith「Men Are Experiencing More Job Growth Than Women in AI-Exposed Occupations」(2026年10月22日、Pew Research Center)
※2 U.S. Bureau of Labor Statistics「Artificial Intelligence (AI) exposure categories」(2026年8月27日更新)
※3 U.S. Bureau of Labor Statistics「Employment Projections: 2025-2035 Summary」(2026年8月27日)
※4 Edward Felten・Manav Raj・Robert Seamans「Occupational, Industry, and Geographic Exposure to Artificial Intelligence: A Novel Dataset and Its Potential Uses」(Technology & Policy Research Initiative)
※5 Edward Felten・Manav Raj・Robert Seamans「Occupational, industry, and geographic exposure to artificial intelligence: A novel dataset and its potential uses」(2021年、Strategic Management Journal、EconPapers の書誌)
※6 Tyna Eloundou・Sam Manning・Pamela Mishkin・Daniel Rock「GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact Potential of Large Language Models」(2023年3月17日、8月21日改訂、arXiv)
※7 Kiran Tomlinson・Sonia Jaffe・Will Wang・Scott Counts・Siddharth Suri「Working with AI: Measuring the Applicability of Generative AI to Occupations」(2025年7月10日、2026年10月23日改訂、arXiv)
※8 Anthropic「Labor market impacts of AI: A new measure and early evidence」(2026年3月5日)
※9 Maxim Massenkoff ほか「Anthropic Economic Index report: Cadences」(2026年6月26日、Anthropic)
※10 Jack Kennedy「AI Exposure Isn’t Squeezing Advertised Pay in the US — It’s Boosting It」(2026年9月17日、Indeed Hiring Lab)
※11 Sakai Ando・Divya Kirti・Willa Lin・Assyifa Szami Ilman「How is Labor Demand Changing as AI Improves? New Global Evidence」(2026年10月19日、IMF Working Paper)
※12 Pawel Gmyrek ほか「Generative AI and Jobs: A Refined Global Index of Occupational Exposure」(2025年5月20日、ILO Working Paper 140)
※13 Campbell Lund・Thomas Euyang・Zanele Munyikwa・Marzieh Fadaee「AI Exposure Scores: what they measure, what they miss, and what comes next」(2026年6月22日、arXiv)
※14 OpenAI「Modeling an AI jobs transition」(2026年4月25日)
※15 PKSHA Technology「東大松尾研・PKSHA・Anthropic、AIが雇用・産業・経済・教育に与える影響を可視化する「Japan AI Index」を構築へ」(2026年6月4日)
※16 Tenable「Tenable One AI Exposure」
※17 Mike Pruzinsky「ルールと理論によるAIエクスポージャーのマッピング」(英語版は2025年11月24日、Bloomberg)

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