Indeed分析、米国でAIの影響を最も受けやすい職種の提示給与は2021年以降約46%上昇。受けにくい職種は25%

求人サイトIndeedの調査部門Indeed Hiring Labは2026年9月17日、米国の求人で示される給与(提示給与)の伸びは、AIの影響を受けやすい職種ほど大きいとする分析を公表した。年収を示した米国の求人数百万件を使い、職種をAIの影響の受けやすさで3等分して、上位と下位の3分の1を比べた。2021年以降の提示給与の伸びは、最も影響を受けやすい職種で約46%、最も受けにくい職種で25%だった。
影響の受けやすさは、その職種に必要な技能のうち、生成AIで大きく変わりうると判定された技能の割合で測る。影響を受けやすい職種にはソフトウェア開発、ITシステムとサポート、データ・分析、マーケティング、銀行・金融などが、受けにくい職種には看護、介護・在宅医療、調理・接客、清掃、製造などが入る。
両者の提示給与は、ChatGPTの公開から1年ほどはほぼそろって動いていたが、2024年ごろから差がはっきり開き始め、その後も広がっている。職種の構成の変化を調整しても、ChatGPT公開後に影響を受けやすい職種の提示給与が、受けにくい職種や市場全体から見込まれる以上に伸びた分(上乗せ)は5.7%あった。
職位別に2021年から2026年半ばまでの累積で見ると、両者の差はシニア職で約17ポイントと最も大きく、中堅で約12ポイント、初級では2ポイントだった。一方、2022年を基準にChatGPT公開後の変化だけを比べると、差は初級、中堅、シニアでおよそ5、6、7ポイントで、職位による違いははるかに小さい。分析は、職位別の結果について、裏付けとなる回帰の項の大半が統計的に有意でないことから、示唆として扱うと説明する。
影響を受けやすい職種は知識労働の分野に、受けにくい職種は主に対面の仕事に集中しており、分析は差の一部が分野ごとの動きの違いを反映している可能性も挙げている。分析によると、提示給与の上昇の一部は、求人が減ってシニア職の比重が高まったことを反映しており、この偏りは影響を受けやすい職種の方が大きい。最も影響を受けやすい職種では、年収を示した求人に占める初級の割合が2021年から2026年にかけて29%から10%に下がり、シニアは22%から47%に上がった。職種内で職位の構成を一定にした推計では上乗せが2.4%に縮み、5%水準で統計的に有意ではなかったが、分析はこの調整が補正の行き過ぎになる可能性も指摘する。
分析は全体として、AIは熟練した働き手の代わりというより補う役割を果たしており、市場がどの技能に対価を払うかを作り変えているとの見方を示した。雇用主に向けては、テック、マーケティング、金融などAIに近い業界で給与の基準を最新に保つことを挙げ、AIの技能に上乗せがつくとみられることから、求人でその技能を示すことが人材を引きつける手段になりうるとした。
【関連サイト】Indeed Hiring Lab「AI Exposure Isn’t Squeezing Advertised Pay in the US — It’s Boosting It」









