BearingPointの欧米・中国での調査、AIを当初の計画どおりに拡大できた組織は13%。導入した組織の4分の3近くは売上か利益で効果を報告

経営・技術コンサルティングのBearingPointは2026年10月1日、AIの拡大に関する調査「Scaling AI for measurable impact」を公表した。欧州、米国、中国の13か国で、公共・民間の組織の経営層と上級管理職1,050人に2026年8月にオンラインで聞いたもので、AIを導入した組織の4分の3近くが、売上か利益で測れる効果が出ていると答えた。一方、AIの取り組みを当初の事業計画に完全に沿って拡大できたのは13%で、4分の3近くは当初の範囲を見直したか、想定より小さい規模にとどまった。
同社でCustomer & Growth担当のグローバルリーダーを務めるフレデリック・ジガン(Frédéric Gigant)は「価値を証明することと、価値を拡大することは大きく異なる」と述べた。先行する組織は、AIを最初から財務上の説明責任、信頼できるデータ、ガバナンス、アーキテクチャ、人員に関する判断と結び付けているとの見方も示した。
調査によると、AIの拡大を阻む大きな障害は、技術そのものの範囲を大きく超える。最も大きいのは複雑な規制の枠組みで、既存のシステムや業務プロセスとの統合がそれに次いだ。経営層の54%は、AIの拡大に欠かせないものとして質の高い信頼できるデータを選んだ。AIの取り組みを始める前に拡大できるかを正式に評価している組織は3分の1に満たず、アーキテクチャやガバナンス、データの統合などの要件には、ユースケースが価値を示したあとで取りかかることが多い。
調査は組織をAIの成熟度で4段階に分けている。AIを業務の大半に深く組み込み、効果を測っている最上位の「Leaders」(回答した組織の11%)では、半数近くが計画どおりに完全に拡大できた。AIを導入して価値を生み出している段階の「Implementers」(同54%)では、その割合は6%だった。AIプロジェクトの大半を測れる財務のKPIと結び付けている割合も、Leadersの70%に対し、Implementersは34%にとどまった。
人員の面では、AIによって10%以上の人員の余剰がすでに生じていると推計する組織が62%あり、2030年には94%が同じ水準になると予想する。同社は、AIガバナンスやエージェントの連携(オーケストレーション)、データサイエンス、人とAIの業務の流れの設計などで新しい能力が要るとして、人員を減らすことだけでなく、再配置しながら能力の不足を埋めることが課題になると指摘する。
同社は、提言に共通する原則を、AIを組織の変革として管理することだと説明し、経営層に向けた5つの優先事項を挙げた。AIを全社の価値のポートフォリオとして管理する、業務の指標を売上・費用・利益率・サステナビリティの成果と結び付ける、大きなAI投資を承認する前に拡大できるかを評価する、AIの導入を人員計画や役割の再設計と合わせる、人とエージェントによる運営モデルのアーキテクチャとガバナンスを整える、の5つ。
【関連サイト】BearingPoint「AI delivers value, but only 13% of organizations scale it as planned」









