国連人権理事会、AIの人権への影響に関する決議を採択。AIに関わる企業に国連指導原則に沿った人権尊重を改めて促す
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国連人権理事会は2026年10月6日、第63会期の第41回会合で、決議「人権の促進と保護に対する人工知能(AI)の影響(Implications of artificial intelligence for the promotion and protection of human rights)」を投票なしで採択した。AIシステムに関わる企業には、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って人権を尊重するよう改めて促した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、人権理事会の決議は、特定の人権問題や状況について国際社会の意思を示すもので、採択は政府に行動を促しうる「強い政治的なシグナル」になる。
決議は、AIの設計、開発、導入、利用が、国連憲章の目的と原則、国際人権法、適用される場合は国際人道法を含む国際法に合致しなければならないと確認し、国家は人権侵害から保護しなければならず、テクノロジー企業を含む企業には人権を尊重する責任があることを再確認した。国際人権法に沿って運用できないAIの用途や、人権の享受、とくに弱い立場にある人々の人権の享受に過度のリスクをもたらすAIの用途は、利用を控えるか、やめる必要があると認めた。
各国には、法令や規制、行政、政策の枠組みを作り実施する際にAIが人権の享受に与える影響を考慮し、AIシステムのライフサイクル全体で生じうる差別などの人権への悪影響を防止・軽減し、対処する適切な措置を取るよう求めた。AIが人権に関わる決定で重要な役割を果たす場合は、リスクの性質と程度に応じて、人による意味のある監督と説明責任を確保し、影響を受ける人が決定についての情報を受け取り、人による再検討と効果的な救済を受けられる仕組みを設けることも求めた。各国に対しては、人権の享受に影響しうるAIシステムについて、必要に応じ、リスクの性質や状況、程度に見合う形で、人権デューディリジェンス(人権DD)と適切な影響評価の実施も奨励した。
企業については、AIシステムの設計前の段階から設計、開発、提供、調達、導入、利用、廃止までに関わる企業に対し、指導原則に沿って、適切な人権DDなどを通じて人権を尊重するよう改めて促した。自らのAI関連の活動に伴う実際の、また潜在的な人権への悪影響を特定、防止、軽減し、自らが引き起こしたか助長した影響については、是正を提供するか、是正に協力することも改めて促した。
前文では、AIシステムの開発、導入、利用が、エネルギーや水の消費、温室効果ガスの排出、重要鉱物の採掘、土地利用、電子廃棄物などの面で、ライフサイクルを通じて、清浄で健康的かつ持続可能な環境の享受に悪影響を及ぼしうると認識した。
決議は本文で、途上国がAIの恩恵を生かしながら人権への潜在的な悪影響を防ぎ、対処できるよう、とくに途上国に向けた国際協力と能力構築の強化を求めた。人権理事会は、第65会期に「人権をAIの中心に置く:AIの能力構築とAI格差の解消」をテーマとするパネル討論を開くことを決めた。
【発表資料】国連人権理事会(決議案 A/HRC/63/L.25)「Implications of artificial intelligence for the promotion and protection of human rights」
【参照サイト】国連人権高等弁務官事務所「63rd regular session of the Human Rights Council: Resolutions, decisions and President’s statements」
【参照サイト】国連人権高等弁務官事務所「Welcome to the Human Rights Council」
画像:Editorial credit: EQRoy / Shutterstock.com




