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ライス大学の研究者、NASAのAI気象・気候モデルでハリケーンのリスク推定ツールを開発中

Springl からの転載です。元の記事

ライス大学(Rice University)は2026年10月2日、同大学の研究者が、NASAのAI気象・気候モデル「Prithvi-WxC」を使ったオープンソースのツールを開発していると発表した。起こりうる熱帯低気圧を何千個もシミュレーションし、ハリケーンによる災害の危険度(ハザード)と保険のリスクの推定を改善するためのツールだ。研究チームは、約1万個の合成の熱帯低気圧からなるデータセットの構築を目指す。

強い嵐はまれで、将来の損失の確率と深刻さを見積もるための過去のデータが、研究者にも保険会社にも限られている。研究者は、現実的な嵐を大量に合成し、風、雨、財産へのリスクをより明確に示したい考えだ。研究は、災害の損失を保険で十分にまかなえない「保険のプロテクションギャップ」への対応も目指す。

Prithvi-WxCは、NASAがIBMと開発した基盤モデル。研究チームはこれを使い、すでに起きた嵐ではなく、起こりうる嵐をコンピューターで生成する。発生の初期から消えるまでの進路と周りの気象条件を再現し、物理の知見を取り入れたモデルで精緻化して、風と雨の詳しい推定を出す計画だ。ライス大学によると、従来の合成は比較的単純な統計的手法に頼っていたが、新しいAI気象モデルは、嵐と周りの環境との相互作用をよりよく考慮しつつ、短時間で嵐を生成できる。

シミュレーションからは、ハリケーンが上陸する確率と、各地が受けうる風と雨の強さを見積もれるようになる。その結果は、保険をかけた複数の物件の財務上のエクスポージャーを合算して見積もる、ポートフォリオ単位のリスク評価を支える。研究チームは、異なる気候シナリオの下でハザードを評価できるようにもツールを設計している。ライス大学は、ハリケーンのリスクが時間とともにどう変わりうるかを研究者や保険会社が評価する助けになる可能性があると説明する。

研究代表者で土木・環境工学の助教のアバンティカ・ゴリ(Avantika Gori)は、自然災害のリスク推定の精度を高めることで、保険会社と再保険会社にとっての不確実性を減らし、より透明な価格設定と、複雑なリスクを引き受ける意欲の高まりを可能にしたいと述べた。共同研究者は、電気・計算機工学の助教のグハ・バラクリシュナン(Guha Balakrishnan)。研究チームは、ツールをオープンソースにする計画だ。

【発表資料】Rice University「Rice researchers to use NASA AI model to improve hurricane risk estimates」