Google、論文などの論理や数学の誤りをAIが指摘する「Deep Review」を一般に公開。週2回まで無料

Googleは10月14日、論文などの複雑な文書をAIで点検し、技術的な誤りを指摘する「Deep Review」を一般に公開したと発表した。論理の整合性や数学的な記述を確かめて改善点を示すもので、より高度な判断は人に委ねる。世界中で利用でき、利用者ごとに週2回まで無料で文書を点検できる。
利用にはGoogleアカウントでのサインインが要り、無料分では「Gemini 4 Argon」を中程度の設定で使う。週2回を超えて使うときは、自分のGemini APIキーを登録し、API呼び出しの料金だけを標準の単価で払う。PDFやテキストなどを入力でき、複数ファイルの一括点検にも近く対応する。Googleの説明では、読み込ませた文書は画面で見返すために最大1年保存し、Googleのモデルの訓練や改善には使わない。利用者が許可すれば、研究チームは文書をDeep Reviewの改善に使える。
点検は4段階で進む。まず文書を論理のまとまりに分け、続いて情報の密度に応じて部分ごとに計算資源を割り振る。次に専門のエージェントが、文書全体を参照しながら担当の部分を並行して調べる。最後に別のエージェントが結果をまとめ、部分どうしの整合性を確かめ、外部の情報と照合する。論文のほか、設計書や法務・財務の文書などにも使える。
Deep Reviewの前身は、研究者が学会への投稿前に原稿を点検するための試験的なツール「Paper Assistant Tool(PAT)」だ。Googleは過去1年、STOCやICMLなど計算機科学の4つの学会と組み、希望した著者の1万6,000本を超える原稿に、投稿前の指摘を非公開で届けた。指摘は学会の正式な査読とは切り離して行った。
Googleの研究者が6月に公開した査読前の論文によると、訂正や撤回につながった数式や証明の誤りを含む数学・計算機科学の論文26本で試したところ、PATは計29件の誤りの89.7%を見つけた。同じ論文は、STOCとICMLでの試験運用で最も多く報告された課題の一つに、正しい証明や論証を誤りとする指摘を挙げている。
【関連サイト】Google「Analyzing technical documents with Deep Review」
【関連サイト】Google「Deep Review」
【関連サイト】arXiv「Towards Automating Scientific Review with Google’s Paper Assistant Tool」









